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米FDA KRAS変異NSCLC治療薬Lumakrasを承認

公開日時 2021/06/09 04:48
米食品医薬品局(FDA)は5月28 日、米アムジェン社のKRAS G12C阻害剤Lumakras(ソトラシブ)について、KRAS G12C変異陽性の非小細胞肺がん(NSCLC)の適応で承認した。同剤の適応は、KRAS G12C変異陽性で、少なくとも1つ以上の全身療法の受療歴のある局所進行もしくは転移NSCLC。また、FDAは、同日、同変異を検出するための診断キットQIAGEN therascreen KRAS RGQ PCR (QIAGEN GmbH社)およびゲノムプロファイリング検査Guardant360 CDx(Guardant Health Inc社)についてLumakrasのコンパニオン診断薬(CDx)として承認した。

NSCLCのうち約25%を占めるKRAS変異陽性をターゲットとした薬剤としては初の承認された医薬品となる。FDAは、同剤に対して、迅速審査、優先審査および画期的新薬(BT)の指定を行っていた。

また、同剤は、FDAと海外の規制当局が抗がん剤について、同時申請を受け付け、同時審査を行うプログラムであるProject Orbisの対象となった。今回、FDAはオーストラリア保健規制局(TGA)、ブラジル保健規制当局(ANVISA)、ヘルスカナダおよび英国医薬品・ヘルスケア製品規制庁(MHRA)と協力した。

FDA医薬品評価研究センターのRichard Pazdur腫瘍研究拠点センター(OCE)長兼腫瘍疾患部長代理は、「KRAS変異は、長いこと薬剤療法に耐性を持つと考えられてきた。このため、一定のタイプのがん患者は真のアンメットメディカルニーズを持っている」と述べた。そのうえで、「本日の承認は、より多くの患者が個別化医療によるアプローチを享受できる未来に向かって意義ある一歩を示すもの」と同剤の登場を歓迎した。

アムジェン社のDavid M Reese研究開発担当上級副社長は、「LumakrasのFDA承認は、KRAS G12C変異のNSCLC患者には画期的な瞬間である。なぜなら、ありふれているが以前には把握できなかった変異に対する標的療法がいま、できたからだ」と述べた。さらに、KRASは、がん研究者に40年以上、それを標的とする薬剤は不可能と思わせてきたと指摘したうえで、「Lumakrasの開発プログラムは、アムジェンの科学者と治験責任医師にとってはがんとの競争だった。彼らは、米国での薬事承認を目指して患者への最初の投薬をしてから3年以内で、今や、この薬剤を患者に成功裏に届けることができた」とコメントしている。
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