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タミフル後発品シェア 選定療養で急拡大 10歳未満で59%に インフル流行も相まって供給停止に影響か

公開日時 2025/01/10 04:52
抗インフルエンザ薬・タミフルの後発品比率が全年代で急拡大していることがわかった。ドライシロップを処方する機会が多い10歳未満では、24年11月の後発品比率は59%となり、前年同月の26%から大きく伸長。10代の後発品比率も24年11月に74%となり、前年同月の47%から大きく伸びたことを確認した。24年10月に施行された長期収載品の選定療養の影響が大きく表れたとみられる。

タミフルドライシロップの後発品は沢井製薬のみ発売している。ただ、同社は1月8日、インフルエンザの急激な流行拡大に製造が追いつかず、ドライシロップを含むタミフル後発品の供給を一時停止すると公表した。この供給一時停止は、急激な流行拡大と、長期収載品の選定療養化による後発品の需要増という二重の打撃を受けたためと考えられそうだ。

後発品シェアは医療情報分析サービスを手掛けるインテージリアルワールドが独自に運用する統合医療データベース「Cross Fact」のデータを基に分析したもの。対象品の処方患者数から後発品シェアを算出した。

◎20~50代の各年代で後発品比率8割以上 10代と60歳以上は7割台

24年11月のタミフル後発品の年代別シェアは、60歳以上が75%(23年11月は53%)、50代が80%(同59%)、40代が82%(同57%)、30代が81%(58%)、20代が80%(同62%)、10代が74%(同47%)、10歳未満が59%(同26%)――で、全ての年代で後発品シェアが拡大した。

「Cross Fact」から、前回23-24シーズンに抗インフルエンザ薬の推計処方患者数が100万人を超えた23年10月~24年2月(=流行期)にフォーカスして、10歳未満のタミフルの後発品比率を見てみると、23年10月は35%、11月は26%、12月は33%、24年1月が37%、2月が41%――だった。23年11月の後発品比率が若干低めなことに留意が必要だが、それでも24年11月の10歳未満の後発品比率は前シーズンの流行期と比べ20ポイント程度拡大したとはいえそうだ。

選定療養の対象となった長期収載品については24年10月から、長期収載品の薬価と後発品の最高価格帯との価格差の4分の1に相当する額を患者が追加負担することになった。ただ、ドライシロップを処方・服用することが多い乳幼児や小児では、自治体の医療費助成によりこれまで自己負担なしのケースが多く、10月以降は自己負担を回避したいとの思いから後発品の使用が急拡大したとみられる。

なお、選定療養化による患者の追加負担は、医師が「先発医薬品を処方・調剤する医療上の必要があると認められる場合」、追加負担は徴収されない。後発品に今回、流通上の問題が発生しているため、長期収載品(先発品)が処方・調剤されても追加負担はかからないことになる。

◎インフルエンザ発生状況 24年52週の定点当たり報告数64.39人 99年以降、週次で最多に

厚労省は1月9日、最新の季節性インフルエンザの発生状況を発表した。24年第52週(12月23日~29日)の定点当たり報告数(1医療機関当たりの平均報告数)は64.39人となった。厚労省によると、現在の方法で統計を取り始めた1999年以降、週次の定点当たり報告数として最多を記録した。

12月の週次の定点当たり報告数をみると、49週(12月2日~8日)が9.03人、50週(9日~15日)が19.06人、51週(16日~22日)が42.66人、今回の52週が64.39人――と推移し、患者数が12月中旬から大幅に跳ね上がった。

全国的にインフルエンザが猛威をふるっているなか、52週に都道府県別で最も定点当たり報告数が多かったのは大分県(104.84人)で、次いで鹿児島県(96.40人)だった。
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