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肺がん治療薬市場 28年に5000億円突破 主要製品特許切れで30年にピーク迎える 富士経済

公開日時 2025/01/20 04:52
肺がん治療薬の国内市場は、2028年に5000億円を突破するが、主要製品の特許切れなどで30年をピークに市場は縮小していく――。富士経済の市場予測から傾向が示された。肺がんの中でも患者数の多い非小細胞肺がん(NSCLC)に係る適応を持つオプジーボ、キイトルーダ、テセントリク、イミフィンジといった免疫療法薬や、EGFR阻害薬・タグリッソやALK阻害薬・アレセンサなどの分子標的薬を中心に市場は拡大。20年に4000億円を超え、28年に5000億円台にのると予測した。ただ、30年の5052億円をピークに市場は縮小局面に入り、予測の最終年の33年は4775億円にまで縮小すると分析した。

富士経済によると、14年に1000億円強だった肺がん治療薬の市場規模は、15年にオプジーボがNSCLCの適応を取得したことで急拡大した。そして16年にタグリッソ、17年にキイトルーダ、18年にテセントリクとイミフィンジがNSCLC市場に参入するなどして、市場は16年に2000億円台、18年に3000億円台、20年に4000億円台に急速に大きく伸びた。

しかし、急速な処方拡大や高額薬価などの理由から、オプジーボなどが幾度も市場拡大再算定の対象となり、21年~24年の市場成長率は23年を除き1%前後に鈍化。25年~27年は毎年1ケタ台前半の成長率になると分析した。富士経済は、「薬価の大幅引き下げを繰り返し受けている」ため、「(市場は)純粋な処方拡大と販売額がリンクしていない複雑な構造になっている」と指摘しつつも、市場は緩やかに拡大し続け28年に5000億円台にのると予測した。

28年以降の市場規模は、28年5008億円、29年5041億円、30年5052億円、31年5005億円、32年4906億円、33年4775億円――と30年をピークに右肩下がりに推移する模様だ。富士経済は、「現在の主要製品」の特許切れ、開発品の上市状況、人口減を考慮し、「(30年以降は)緩やかに規模は縮小していく可能性があると考えられる」とした。なお、富士経済は市場縮小に影響する特許切れ製品の製品名は明かしていないが、オプジーボの特許満了は31年とみられている。

この調査は、富士経済専門調査員による参入企業や関連企業・団体などへのヒアリング、及び関連文献調査、社内データベースを併用して行った。調査期間は24年8~10月。
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