MSD 抗PD-1抗体キイトルーダ 悪性黒色腫の術後補助療法を承認申請
公開日時 2018/05/15 03:50
MSDはこのほど、がん免疫療法薬で抗PD-1抗体キイトルーダ(一般名:ペムブロリズマブ(遺伝子組換え))について、悪性黒色腫の術後補助療法としての承認を申請したと発表した。申請は5月10日付。
キイトルーダはこれまでに、▽根治切除不能な悪性黒色腫▽PD-L1陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん▽再発または難治性の古典的ホジキンリンパ腫▽がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮がん――の効能・効果で承認されている。
悪性黒色腫は皮膚がんのうち最も深刻なもので、色素産生細胞の増殖が制御困難になるのが特徴。国内で約4000人が罹患し、年間約600人が死亡しているとの報告がある。
悪性黒色腫は主に腫瘍の厚さと表面の潰瘍、がんがリンパ節あるいは他の部位や内臓に転移しているかどうかに基づいてステージ分類される。ステージIIIでは所属リンパ節まで広がる腫瘍だが、原発腫瘍及び転移したリンパ節を外科的切除しても、ほとんどの患者で再発し、転移性に進行する。ステージIIIBの患者の10年生存率は約43%、ステージIIICになると約24%とされる。
同社によると、国際共同フェーズ3試験のEORTC1325/KEYNOTE-054試験では、完全切除後の再発リスクが高いステージIIIの悪性黒色腫患者に対するキイトルーダの術後補助療法を評価した結果、プラセボと比較して、キイトルーダが無再発生存期間(RFS)を有意に延長したことが示されたとしている。