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Meiji Seika ファルマ 原口一博議員を提訴「731部隊」、コスタイベを「生物兵器」と繰り返し誹謗中傷

公開日時 2024/12/25 16:15
Meiji Seika ファルマは12月25日、立憲民主党の原口一博衆院議員を名誉棄損で東京地裁に提訴したと発表した。同社は、原口議員が動画投稿サイトなどのSNS上で、同社やレプリコンタイプ(自己増幅型)の次世代mRNAワクチン・コスタイベについて、「誹謗中傷を繰り返している」と指摘。特に問題視しているのは、コスタイベの開発元のMeiji Seikaを「731部隊」、コスタイベを「3発目の原爆」や「生物兵器」、コスタイベの臨床試験を「殺人に近い行為」と繰り返し表現・発言していることだと訴えた。Meiji Seikaは、不法行為による損害賠償請求権に基づき、原口議員に対し1000万円の損害賠償を求めた。

民間企業が現役の国会議員を名誉棄損で提訴するのは前代未聞で、今回が初めてのケースとみられる。原口議員は衆院当選10回、旧民主党政権時代には総務相を務めた。

◎小林社長 原口議員の発言は「いろいろな意見や論評を超えた発言、いくら何でも放置できない」

Meiji Seikaの小林大吉郎代表取締役社長はこの日に開いた記者会見で、コスタイベは適法な承認プロセスを経て承認を取得した「何ら瑕疵なく開発された新型コロナワクチン」と強調した。そして、社会的影響力を持つ原口議員については、「国会議員として、厳格に規制された手続きを経て、コスタイベが審査され、承認された経緯を十分知り得る立場にある」にもかかわらず、コスタイベを開発したMeiji Seikaのことを旧日本軍の悪名高い“731部隊”と表現したり、コスタイベを“生物兵器”などと表現して誹謗中傷を繰り返していると指摘。「社会的に新型コロナワクチンに対していろいろな考え方があることは理解できる」ものの、「(原口議員の発言は)いろいろな意見や論評を超えた発言であり、いくら何でも放置できない」と批判した。

小林社長は、提訴には当初、消極的だったという。ただ、提訴に踏み切った理由として、これまでの原口議員による誹謗中傷により、「新型コロナワクチンやMeiji Seikaの社会的信用は大きく傷つき、(新型コロナワクチンの)接種率の低下を招いている」としたほか、原口議員が反ワクチン派の中心人物のひとりだとした上で、「ワクチン反対派の活動によって、(ワクチン接種にあたる多くの医師や当社社員の)通常業務を妨げられたり、精神的に大きな打撃を受けている」と指摘。「このような状況を放置し、偽誤情報が蔓延すれば、本来ワクチンを接種すべき人にワクチンが届かなくなる事態が発生し、公衆衛生上の脅威になると考え、今回の提訴に踏み切った」と説明した。

◎原口議員による誹謗中傷の損害額は最大55億7120万円 

この日の会見に同席したMeiji Seikaの弁護士は、原口議員による誹謗中傷の損害額は最大55億7120万円にのぼるが、まずはその一部として1000万円を請求することにしたと説明した。損害賠償請求額が1000万円と少額な点に関して小林社長は、「今回の訴訟は金銭を目的としたものではない」と強調。国会議員として多大な影響力を持つ原口議員による誹謗中傷からの「当社および社員の名誉回復を図りたいということが争点であり、第一の目的」だと述べた。

小林社長はこれまでの記者会見で、医学・薬学の専門家が非科学的な言説や主張を流布することは、我が国の医療介入における客観性と科学性を基盤とする医師と接種者・患者とのサイエンスコミュニケーションの基盤を崩壊させる危険性があり、公衆衛生上の大きな問題になると提起していた。今回の訴訟で、社会的にも影響のある国会議員から発せられる非科学的な情報が、サイエンスコミュニケーションや公衆衛生上の脅威になり得るということも争点とするのかも気になるところだ。この点について小林社長は、「今回の争点ではない。あくまで誹謗中傷が争点」と明言したが、「今回の訴訟を通じて、サイエンスコミュニケーションにまで議論が拡大することは当然あり得る」との見方も示した。

◎1000万円と遅延損害金の支払いを求め提訴

Meiji Seika側の松田誠司弁護士(三浦法律事務所)は、「総務大臣等を歴任した原口一博議員がX(旧Twitter)やYouTubeなどのSNS、又は著書の中でMeiji Seika ファルマが開発したコスタイベについて名誉棄損の各発言を行った。これに損害賠償を求めることにした」とし、損害金のうちの一部となる1000万円と遅延損害金の支払いを求め提訴することにしたと説明した。

原口議員による問題発言は4類型あるとし、(1)Meiji Seika ファルマを731部隊になぞらえた複数の発言、(2)コスタイベの承認に係るプロセスが不公正との旨の発言、(3)コスタイベが生物兵器であるとの発言、(4)Meiji Seika ファルマがコスタイベの開発にあたり人体実験を行っているとの発言――を列挙した。そして、これら4類型の発言により「Meiji Seika ファルマの社会的評価を著しく低下させた」と指摘した。
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