武田薬品 ニューイヤー駅伝に3年ぶり4度目の出場 フルタイム勤務の選手たちが国内最高峰に挑む!
公開日時 2024/12/27 04:52
元旦に号砲がとどろく全日本実業団駅伝、通称「ニューイヤー駅伝」は、オリンピック出場選手など日本屈指のランナーたちが襷を繋ぎ、正月を賑わす大会の一つだ。その名誉ある大会に、武田薬品が3年ぶり4度目の出場を果たす。監督と選手全員が同社の光工場(山口)でフルタイム勤務を行う、エッセンシャルワーカーである。普段はワクチンや医薬品の製造に携わる選手たちをまとめるキャプテンと監督に、大会にかける意気込みを聞いた。
◎「全員で襷を繋ぐ」 光工場の勤務と両立し、11人で勝ち取ったスタートライン
ニューイヤー駅伝では群馬県庁を発着とする7区間100㎞のコースを、各地の予選会を勝ち抜いた37チームが駆け抜ける。武田薬品は中国地区の予選会で5位に入り、3年ぶりにニューイヤー駅伝の出場権を獲得した。
チームのメンバーは監督と選手を合わせて11人。全員がフルタイムで勤務し、グローバル製造拠点である光工場の複数の部門でワクチンや医薬品の原薬製造、製剤の包装、検査などに従事する。それぞれ役割によって勤務時間が異なるため、全員がそろって練習できるのは月に一度か二度程度だという。それでも練習に工夫を施しながら、走力を強化した。週二回の朝練習では、出勤前の午前6時から8000mの集団走を行ったり、夏場は起伏の激しいコースを走りこんだりするなど、走行距離の長い練習に取り組んだ。
◎監督の松藤仁さん「正社員での陸上採用がなく、2、3年かけて駅伝メンバーに育てた」
監督の松藤仁さんは、工場で医薬品原薬の製造に携わる。その業務の傍ら、社員の中から陸上競技経験者を誘い込むことにも注力したという。「正社員での陸上採用がないため、陸上経験のある新卒内定者に陸上部への入部をお願いし、その選手を2、3年かけて成長させて駅伝メンバーに育てた」と振り返る。
工夫と苦労を重ねて立つ念願のスタートライン。チームの目標は「繰り上げを回避して、全員で襷を繋ぐ」ことだ。普段は注射剤の検査工程で働くキャプテンの元永好多朗選手は、「全員がフルタイム勤務ではありながら社内クラウドファンディングなどを通じて応援していただいている。皆さんに我々の熱い走りをお届けし、武田の存在感を全国にアピールしたい」と、憧れの舞台で走る想いを語った。
◎号砲は2025年1月1日午前9時15分 選手たちの力走に注目!
号砲は2025年1月1日午前9時15分。医薬品やワクチンを通じ健康を届ける選手たちが、この日は粘り強く襷を繋ぎ、お茶の間に勇気と希望を届けてくれる。