帝人ファーマ 副甲状腺機能低下症治療薬・パロペグテリパラチドを承認申請 希少疾病用医薬品に指定
公開日時 2024/12/16 04:50
帝人ファーマは12月13日、副甲状腺機能低下症治療薬・パロペグテリパラチド(一般名、開発コード:ACP-014)を承認申請したと発表した。厚労省から希少疾病用医薬品に指定されている。
パロペグテリパラチドは副甲状腺ホルモン(PTH)の徐放性プロドラッグ。副甲状腺機能低下症患者に1日1回皮下投与で用いることで、24時間にわたり血中PTH濃度を生理学的範囲に維持できるという。同社は、パロペグテリパラチドについて、「副甲状腺機能低下症の根本的な治療法として期待される」としている。
帝人ファーマは2023年11月、デンマークのアセンディス・ファーマから希少内分泌疾患のホルモン治療薬3剤の日本における研究、開発、販売に関する独占的ライセンスを取得した。パロペグテリパラチドはその1剤。今回の申請は、アセンディスが日本で実施した第3相臨床試験の結果に基づく。
副甲状腺機能低下症は、体内のカルシウムとリン酸のバランスを調整するPTHの不足によって引き起こされる内分泌疾患。PTHは骨や腎臓に直接作用するだけでなく、小腸にも間接的に作用することで体内のバランスを調整することが知られている。副甲状腺機能低下症患者は、神経筋過敏症、腎機能障害、異所性石灰化、認知障害など様々な疾病を短期的および長期的に患うリスクがあり、中等症以上の場合は指定難病に認定される。
現行の治療では、血中カルシウム濃度を維持するために活性型ビタミンD3製剤やカルシウム製剤が使用されるが、これらの治療は高カルシウム血症や高カルシウム尿症、腎石灰化や尿路結石、腎機能障害などの有害事象を引き起こす可能性がある。このような現行治療の問題を解決するため、副甲状腺機能低下症の根本的な治療法が求められており、具体的には欠乏している血中のPTH濃度を生理的範囲で長期的に維持できる新しい治療薬が必要とされている。