参天製薬 後天性眼瞼下垂治療薬・オキシメタゾリン塩酸塩を承認申請
公開日時 2024/12/27 04:50
参天製薬は12月26日、後天性眼瞼下垂治療薬・オキシメタゾリン塩酸塩(一般名、開発コード: STN1013800)を承認申請したと発表した。
眼瞼下垂は、何らかの原因により上眼瞼が下がり、ものが見にくくなる疾患。症状は上方視野の欠損や肩こり、頭痛などで、QOLの低下を招くことがある。眼瞼下垂は先天性と後天性に分類される。後天性の眼瞼下垂には様々な病因があり、加齢などによる眼瞼挙筋腱膜の退行や、コンタクトレンズの長期装用などの結果として生じることがあるとされる。多くの眼瞼下垂に対する治療は手術になっている。
オキシメタゾリンはα1及びα2受容体のアゴニストとして作用することが報告されている。オキシメタゾリンは上眼瞼の挙上に関わる筋組織のうち、ミュラー筋のαアドレナリン受容体に作用し、ミュラー筋を収縮させることにより、上眼瞼を拳上させる。国内第3相臨床試験では1日1回点眼及び1日2回点眼の有効性及び安全性を評価し、プラセボ点眼液に対する優越性が検証された。
同社のチーフメディカルオフィサーのピーター・サルスティグ氏によると、日本で承認されている眼瞼下垂の治療法は手術のみで、手術は術後の合併症など様々なリスクもあるため、特に軽度から中等度の患者に対する積極的な診断・治療が難しい状況だという。そのような中、参天製薬では「眼科領域に特化したスペシャリティカンパニーとして、これまで点眼による治療法のない眼疾患領域での研究開発も推し進めている」とし、「その一環である本剤が、日本の眼瞼下垂の患者さんのニーズに応える新たな治療選択肢につながることを期待している」とコメントしている。