厚労省 原薬製造業者への無通告立ち入り検査を強化 アセトアミノフェン中国産混入受け
公開日時 2017/07/03 03:50
原薬大手メーカー・山本化学工業(和歌山県和歌山市)が解熱鎮痛薬・アセトアミノフェンに無届けで中国製の輸入品を混ぜて出荷していた問題を受け、厚生労働省の医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課は6月30日までに、各都道府県宛てに原薬製造業者への無通告立ち入り検査を強化するとの通知を発出した。
通知は、6月29日付。無通告立ち入り検査について、過去の立入 検査等における結果や不適合の有 無などに加えて、「不正が発覚した場合の 影響範囲が大きい原薬製造業者かどうか等の状況を踏まえ、リスクの高 いものから優先して無通告で行う」と加えた。無通告とする内容としては、調査日、調査品目、調査スケジ ュール、調査対象区域、調査対象文 書などをあげている。
また、GQP省令に基づき、製造販売業者による製造業者等における製造・品質的管理状況を定期的に確認することの重要性を指摘。①実地又は書面を判定する適切な基準を有する、 ② 適切な頻度で定期的な確認 を行う、 ③ 製品の品質に重大な影響を 及ぼす可能性のある製造方法、試験検査方法等の変更にかかわる事前連絡の確認を行う―を求めた。製造所からの事前連絡に対し て、製造販売業者が適切に評価、指示していること、承認申請書の内容を維持することを改めて求めた。
和歌山県は山本化学工業に、医薬品医療機器等法に基づき、6月29日から22日間の業務停止命令と業務改善命令を出している。