製品想起ランク 1位フォシーガ 2位ジャディアンス CKD適応取得で競争激化 24年10月調査
公開日時 2025/01/15 04:52
「MR活動」や「講演会」などのプロモーション系情報チャネルによって医師に想起された製品ランキングで、最新の2024年10月調査の1位はSGLT2阻害薬・フォシーガ、2位は同阻害薬・ジャディアンスとなった。フォシーガは前回7月調査に続く首位。ジャディアンスは前回3位からひとつ順位を上げた。両剤の想起医師数の差は前回調査の約2700人から今回約1500人にまで縮まった。両剤とも慢性腎臓病(CKD)の適応で処方が伸びており、想起医師数からも競争が激化していることがわかる。
◎フォシーガ 医師1万4800人が想起 「講演会」、「eマーケ」で想起医師数1位
フォシーガ(アストラゼネカ/小野薬品)の想起医師数は、前回調査から約200人減の1万4800人(拡大推計、100人未満切捨て)となった。チャネル別では、「MR活動」で約300人減の5700人、「講演会」は前回から横ばいの4900人、自社サイトやサードパーティによる情報発信を指す「eマーケティング」も横ばいの4000人――。チャネル別の想起医師数ランキングは「講演会」と「eマーケ」は引き続き1位、「MR活動」は前回と同じ4位だった。
◎ジャディアンス 「MR活動」で想起医師数1位 「講演会」でも存在感アップ
ジャディアンス(日本ベーリンガーインゲルハイム/日本イーライリリー)の想起医師数は約900人増の1万3200人だった。チャネル別では「MR活動」で1位の7700人に想起されたが、前回調査からは約200人減った。一方、「講演会」では約900人増の3500人、「eマーケ」では約300人増の1800人に想起され、D to Dの勉強会や情報共有の取組みが強化されていることがうかがえる。チャネル別の想起医師数ランキングは、「MR活動」は4月調査以降、3期連続1位。「講演会」は前回3位から今回2位に、「eマーケ」は前回10位から今回5位に上がった。
◎ダイチロナ、コミナティ、レキサルティ、キイトルーダがトップ10入り
10月調査では4製品が想起医師数ランキングでトップ10入りした。このうち2製品は新型コロナワクチンで、ダイイチロナ(第一三共)は前回106位から今回7位、コミナティ(ファイザー)は同72位から8位にランクインした。新型コロナワクチンは10月から65歳以上の人などを対象に定期接種化され、これに合わせて製薬各社の情報活動が活発化したことが反映したとみられる。
9月に国内初のアルツハイマー型認知症に伴うアジテーションの適応を取得した抗精神病薬・レキサルティ(大塚製薬)は前回35位から今回9位。同じく9月に尿路上皮がんに対する抗体薬物複合体(ADC)・パドセブ(アステラス製薬)との併用療法の適応を追加した抗PD-1抗体・キイトルーダ(MSD)は前回25位から今回10位に入った。
10月のプロモーション系情報チャネルによる製品想起トップ10製品と推計想起医師数(100人未満切捨て)は以下の通り。
1位
フォシーガ 想起医師数1万4800人
2位
ジャディアンス 想起医師数1万3200人
3位
エンレスト 想起医師数1万1600人
4位
マンジャロ 想起医師数1万1100人
5位
アミティーザ 想起医師数7200人
6位
リベルサス 想起医師数7200人
7位
ダイチロナ* 想起医師数6100人
8位
コミナティ* 想起医師数6000人
9位
レキサルティ* 想起医師数5800人
10位
キイトルーダ* 想起医師数5500人
・5位と6位は100人未満の想起医師数でランキング
・製品名の「*」は今回トップ10入りした製品
本調査はインテージヘルスケアが提供する医師約1万人を対象に情報チャネルごとの製品想起状況などをトラッキングする「SOC(=Share of Channels)」によるもの。SOCは、主に「MR活動」、「講演会(Web含む)」、「eマーケティング」で構成するプロモーション系情報チャネルによる製品想起と、主に「医師の使用感評価」や「患者の声」などのプッシュ型ではないノンプロモーション系情報チャネルにわけ、製品想起状況が把握できる。同調査は1月、4月、7月、10月に実施している。
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