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抗インフルエンザ薬の供給状況 中外製薬、東和薬品のタミフル、塩野義製薬のゾフルーザが限定出荷に 

公開日時 2025/01/14 04:50
インフルエンザの大流行に伴い、抗インフルエンザウイルス薬の供給に支障が出ている。沢井製薬がタミフル後発品のオセルタミビルカプセル75mg「サワイ」/オセルタミビルDS3%「サワイ」を一時出荷停止にしたのに続き、同剤の先発品を供給する中外製薬も一部包装の出荷停止を含む限定出荷に踏み切った。また、塩野義製薬はゾフルーザ錠10mg、20mgを限定出荷とした。いずれもインフルエンザの流行拡大に伴う他社品等の需要増を警戒したもの。厚労省医政局産情課は1月9日付の事務連絡「抗インフルエンザ薬の適正な使用と発注について(協力依頼)」で、過剰な発注を控え、必要量に見合う量のみ購入するよう呼び掛けている。

◎福岡厚労相「医療機関や薬局に対し、過剰な発注や代替薬の使用で協力を要請」

福岡資麿厚労相は1月10日の閣議後会見で、「抗インフルエンザウイルス薬は、インフルエンザの流行が拡大した昨年度の供給実績を上回る量の供給が計画されている」と強調。昨年の供給実績1449.2万人分に対し、今年度の供給計画量は2432.5万人分が計画されていると明かした。在庫も、「1月5日時点で、メーカー及び卸売販売業者に約1500万人分確保されている」と述べ、「インフルエンザの流行拡大を受け、医療機関や薬局からの過剰な発注を抑制することなどを目的に、一部の製薬企業において、抗インフルエンザウイルス薬の供給停止・限定出荷が行われていることは承知している。厚生労働省としては、抗インフルエンザウイルス薬の適正な使用や発注によって対応できるものと考えており、医療機関や薬局に対して、過剰な発注を控えるといったことや、代替薬の使用について考慮すること等について協力を要請したところ」と理解を求めた。

なお、厚労省が1月9日付で発出した事務連絡では、薬局に対し、「自らの店舗や系列店舗だけでは供給が困難な場合であっても、地域の薬局間における連携により可能な限り調整していただきたい」と要請。さらに、「吸入薬の利用が可能な5歳以上のインフルエンザ患者に対しては、オセルタミビルリン酸塩ドライシロップではなく、吸入薬の処方を検討いただく等、医薬品の供給状況によって、他社製品や代替薬の使用についても考慮して欲しい」と指摘した。

◎中外製薬 タミフルの在庫 11月時点で352万人分 

一方、インフルエンザの大流行に伴い、抗インフルエンザウイルス薬の供給に影響が出始めている。タミフルの後発薬を提供する沢井製薬がカプセル剤、ドライシロップを供給停止したのに続き、先発品を提供する中外製薬は、タミフルカプセル75(10カプセルPTP)、同ドライシロップ3%(30g瓶)を限定出荷とし、タミフルカプセル75(100カプセルPTP)は出荷停止とした。ただ、中外製薬は今シーズンの流行を見越して、400万人分(カプセル・ドライシロップ各200万人分)を確保しており、11月時点では352万人分の在庫を抱えていると明かしている。同社は、市場での買い占めや在庫偏在を回避できれば必要量の供給は継続できると見通している。

◎東和薬品もオセルタミビル錠75mg「トーワ」を限定出荷

タミフルの後発品を供給する東和薬品も、オセルタミビル錠75mg「トーワ」を1月10日から限定出荷とした。

◎塩野義製薬 ゾフルーザ錠10mg、20mgを限定出荷「他社品の影響に伴う市場ニーズ増加」で

一方、塩野義製薬はゾフルーザ錠10mg、20mgを限定出荷とした。同社は、「基本的に欠品がない十分量は確保している」としながらも、タミフルの供給停止など他社品の影響に伴う市場ニーズの増加に伴い限定出荷を判断したとしている。同社としては、「流行状況や他社製品の供給状況も踏まえつつ、早期に限定出荷を解除できるよう努めたい」と強調している。
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