米国ジェネリック医薬品協会 バイオシミラーの啓もうで協議会を設置
公開日時 2015/04/28 03:50
米国ジェネリック医薬品協会(GPhA)は4月16日、バイオシミラー(バイオ後続品)について啓もう・啓発など総合的な対策を講ずる部門として、「バイオシミラー協議会」(Biosimilars Council: BSC)を発足させた。
GPhAのCraig Wheeler理事会議長(Momenta Pharmaceuticals会長兼CEO)は、「協議会は、手ごろな価格で生命を救えるバイオシミラーへの患者アクセスに長年かつ一貫して、協会が取り組んできたことの結実した結果」とまず患者のための協議会であることを強調した。
その上で、協議会がバイオシミラー開発企業からの相談やその指導の役割を果し、同分野に参入を試みる企業のニーズにも応えるものであるとの考えを示した。さらに、バイオシミラーの開発状況の透明化を図るために政治家、患者、医療供給者、製造企業、消費者団体、その他サプライチェーンにあるすべての関係者にとって価値あるパートナーとしての機能を果たすとしている。また、科学的、規制的、法的、政策的論議の機会を作るうえで発信元になるとの意欲を示した。
患者アクセスを強固なものにする観点から、バイオシミラーの浸透に前向きな規制および保険償還、政策的環境が不可欠としており、GE企業ばかりでなく関係者を構成員としたい考えだ。
GPhAは、BSCによるGEの啓蒙・啓発事業の第一弾として、「医薬品へのアクセス改善のための次世代フロンティア:バイオシミラーと互換可能な生物製剤製品」(The Next Frontier for Improved Access to Medicines: Biosimilars and Interchangeable Biologic Products)と題する教育ハンドブックを発行した。同ハンドブックは、バイオシミラーの基本的な定義や、高価なバイオ製剤に代わりうる安全・有効な製品であるというメリット、規制のあり方、品質保証や開発プロセスなどを解説している。
GPhAのRalph G Neas会長兼CEOは、協会が米国でのバイオシミラーのフロンティアとしての役割を果たしてきたと述べた。その上で、「協議会は我々が示してきたリーダーシップの次の進化を示すものだ。そして、バイオシミラーが我々の健康とヘルスケアシステムに多大のベネフィットをもたらすことを保証する」と期待感を示した。
協議会発足に至った背景には、米国でのバイオシミラーの浸透がEUおよび日本と比べて大きく遅れたことにあるとみられている。患者だけでなく、政治家や行政官など関係者に一層の啓蒙・啓発が必要なこと、また関与が不可欠であるとみられている。また、会員企業にもバイオシミラーのあり方や開発への教育・指導が必要と判断したものとみられている。