厚労省・後発品承認 初後発は3成分、エクメット後発品に3社6品目 モーラステープに後追いAGも
公開日時 2025/02/18 04:52
厚生労働省は2月17日、後発医薬品等18成分41品目を承認した。後発品として初めて承認されたもの(以下、初後発品)は3成分で、この中に2型糖尿病治療薬・エクメット配合錠(一般名:ビルダグリプチン・メトホルミン塩酸塩、ノバルティスファーマ/住友ファーマ)の後発品が含まれる。エクメットには3社6品目の後発品が参入。ミクスの調べではオーソライズド・ジェネリック(AG)は含まれていない。このほかの初後発品は、子宮内膜症に伴う疼痛改善などに用いるヤーズフレックス配合錠(ドロスピレノン・エチニルエストラジオールベータデクス、バイエル薬品)と、MRI用造影剤・ガドビスト静注(ガドブトロール、バイエル薬品)の後発品となる。
文末の「関連ファイル」に、初後発品3成分の一覧表を掲載しました(会員のみダウンロードできます。無料トライアルはこちら)。
エクメット後発品の承認を取得したのはダイト、東和薬品、日新製薬の3社となる。3社ともLD錠とHD錠の2規格の承認を取得した。後発品の製品名は「メホビル配合錠」。DPP-4阻害薬とBG薬の配合剤の後発品は今回が初めて。
ヤーズフレックス後発品はバイエルライフサイエンスが承認を取得した。同社はバイエルホールディング100%子会社。バイエルライフサイエンスは本誌取材に、この後発品はAGだと説明した。後発品の製品名は「ドロエチフレックス配合錠」となる。ガドビスト後発品は光製薬が3規格で承認を取得した。同社によると、同後発品はAGではない。
◎後発品最多参入はアレジオンLX点眼液 5社5品目が承認取得
今回、後発品の参入企業が最多だったのは、抗アレルギー点眼剤・アレジオンLX点眼液(エピナスチン塩酸塩)の5社5品目となる。後発品の承認取得企業は▽テイカ製薬、▽東和薬品、▽日新製薬、▽ロートニッテン、▽わかもと製薬――。アレジオンLX点眼液の後発品は、参天アイケアのAGと、東亜薬品/日東メディックの通常の後発品が1月20日から販売されている。
◎祐徳薬品 モーラステープAGの承認取得 先発品とともに展開へ
ミクスの調べでは、今回の承認品目の中に複数のAGがあることを確認した。祐徳薬品はモーラステープ20mg、同40mg(ケトプロフェン)の後発品の承認を取得し、これらはAGだと明らかにした。祐徳薬品は久光製薬が製造販売する先発品のモーラスを30年近く共同販売中。一方で、既に他社から通常の後発品も多く市場投入されている。
それでも今回いわゆる後追いAGを投入することにした理由は、「長期収載品への選定療養の導入や後発品の更なる使用促進といった外部環境が激変するなかでも、ケトプロフェン外用剤を将来にわたり供給するためには、企業戦略上、AGも選択肢の一つとした方が良い」と判断したためだと説明した。モーラステープAGを久光製薬も取扱うのかについては「今のところ回答を控えている」とした。
◎ヤーズ配合錠、ジクアス点眼液、アマリール錠でAG承認
このほか、▽バイエルライフサイエンスが承認を取得した月経困難症治療薬・ヤーズ配合錠(ドロスピレノン・エチニルエストラジオール、バイエル薬品)の後発品、▽参天製薬100%子会社の参天アイケアが承認を取得したドライアイ治療薬・ジクアス点眼液(ジクアホソルナトリウム、参天製薬)の後発品、▽日本ケミファが承認を取得した2型糖尿病治療薬・アマリール錠(グリメピリド、サノフィ)の後発品3規格――はいずれもAG。既に通常の後発品が参入していることから、3製品ともいわゆる“後追いAG”となる。
なお、日本新薬100%子会社のシオエ製薬が、がん疼痛・慢性疼痛治療薬・トラマールOD錠(トラマドール塩酸塩、日本新薬)の後発品の承認を取得したが、この後発品がAGかどうかは非開示。AGを戦略的に多く手掛ける第一三共エスファは今回、2型糖尿病治療薬・ジャヌビア錠/グラクティブ錠(シタグリプチンリン酸塩水和物、MSD/小野薬品)の後発品4規格の承認を取得したが、AGかどうかを含め「詳細は開示していない」と答えた。