ミクス編集部は2024年４月実施の「医師の働き方改革」以降の医師850人（開業医400人、勤務医450人）のインサイトを調査した。ＭＲとのコミュニケーションについては、「あまり変わらない」が全体で55.8％を占めたものの、ＭＲとのリアル面談が「減った」と勤務医は29.1％だった。診療科別では皮膚科勤務医が44.0％、次いで循環器科勤務医が34.0％と続いた。医薬品の情報収集方法についてみると、製薬企業主催の「Web講演会をこれまで以上に視聴する」が全回答で27.1％、うち勤務医は30.9％だった。

◎リアル面談「減った」開業医24.8％、勤務医29.1％

医師の働き方改革に伴う「ＭＲとのコミュニケーションの変化」について見てみたい。ＭＲとのリアル面談が「減った」との回答は全体で27.1％、開業医24.8％、勤務医29.1％となった。逆に「増えた」との回答は、全体で4.9％、開業医3.5％、勤務医6.2％に止まっている。

診療科別に勤務医の回答をみると、リアル面談が「減った」のトップは呼吸器科で44.0％。次いで循環器科34.0％、整形外科32.0％、泌尿器科と一般内科はともに30.0％で、勤務医の回答平均を上回っている。逆に、リアル面談が「増えた」と回答した勤務医の診療科をみると、精神神経科、呼吸器科、消化器科がともに10.0％。腫瘍内科と皮膚科がともに8.0％となり、勤務医の回答平均を上回っていることが分かった。

Webやオンラインを使ってＭＲにコンタクトする機会が「増えた」は、全体で9.4％。内訳をみると、開業医の6.5％に対し、勤務医は12.0％となった。勤務医の回答を診療科別でみると、腫瘍内科、一般内科はともに18.0％。次いで、整形外科、呼吸器科が14.0％で勤務医の回答平均を上回った。

ＭＲと面談（コンタクト）する時間が「変わった」との回答は、全体で8.2％。開業医の6.0％に対し、勤務医は10.2％となった。勤務医の回答を診療科別にみると、泌尿器科と循環器科が16.0％となった。ＭＲと面談する場所（自宅など医療施設外）が「変わった」との回答は、全体で3.6％、開業医1.3％に対し、勤務医は5.8％。診療科別にみると、循環器科が10.0％で最も高く、次いで腫瘍内科と消化器科が8.0％と続いた。

◎企業主催のWeb講演会　呼吸器科の勤務医44.0％。泌尿器科の勤務医40.0％

医師の医薬品に関する情報収集方法についても調べた。企業主催Web講演会については、「これまで以上に視聴している」が全体の27.2％を占めたのに対し、勤務医は30.9％と3.7ポイント上回った。勤務医の回答で最も高かった診療科は呼吸器科で44.0％。次いで泌尿器科の40.0％、循環器科と整形外科の36.0％。精神神経科の36.0％となり、いずれの診療科ともに医師がWeb講演会を通じて当該医薬品に関する情報に意識してアクセスしていることが分かる。なお、開業医の回答を診療科別にみると、呼吸器科が32.0％でトップ。次いで、一般内科が30.0％、精神神経科が26.0％となっている。

◎「ＭＲ君」など医師会員向けサイト　利用「増えた」２割が回答

「ＭＲ君」など医師会員向けサイトの活用について「増えた」との回答は全体で19.1％、開業医17.5％、勤務医20.4％となった。こちらも勤務医の回答結果を診療科別にみると、最も高い診療科は消化器科で28.0％、次いで、皮膚科と整形外科が24.0％、循環器科が22.0％となっている。開業医の診療科別をみると、消化器科が28.0％、一般内科26.0％、整形外科20.0％となった。

◎自社サイト　循環器科の勤務医16.0％。次いで腫瘍内科、泌尿器科、一般内科が14.0％

製薬企業の自社サイト（オウンドサイト）に設けた「医療関係者向けサイト」を「活用している」との回答は全体で10.4％、開業医8.8％、勤務医11.8％となった。勤務医の回答結果を診療科別にみると、最も高い診療科は、循環器科の16.0％。次いで腫瘍内科、泌尿器科、一般内科が14.0％、消化器科と精神神経科が12.0％となった。開業医の診療科別の回答結果をみると、トップは泌尿器科と消化器科でともに14.0％。次いで呼吸器科と一般内科の10.0％となった。