優れているMR 1位は第一三共 整形外科で大きく伸長 勤務医でAZが初の首位、呼吸器科で評価高く
公開日時 2025/02/04 04:52
ミクス編集部が行った医師調査2025年版で、「優れているMR」が所属する企業ランキングで第一三共が首位に立った。医師850人を対象にインターネット調査を行った結果からわかった。トップの第一三共は、整形外科で票数を大きく伸ばすなどして計22票増の113票を獲得した。前年1位の武田薬品も票数を伸ばしたが、第一三共の勢いには及ばず、2位に後退した。開業医/勤務医別では、開業医は第一三共と武田薬品がトップタイ。勤務医はアストラゼネカ(AZ)が初のトップとなった。AZは、タグリッソ、イミフィンジ、テゼスパイアなど多岐にわたる新薬の情報活動の質と量で、呼吸器科医を中心に存在感を高めた。
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◎第一三共 得票113票のうち56票は第一想起 整形外科と循環器科で存在際立つ
ランキング上位10社の顔ぶれは前年と同じだが、順位は変動した。10社のうち7社が票数を伸ばし、その伸び方が順位に影響した。
第一三共は、タリージェなどの情報活動により整形外科で15票増の40票を獲得し、全体1位につながった。前年は3位だった。獲得した113票のうち56票は第一想起(最大3社挙げてもらった時の1番目の社名)で得たもの。第一想起の大半は整形外科と循環器科の医師で、両診療科で同社MRの存在感は際立っている。
リアル訪問を評価する声が多いことも特徴のひとつで、中には「毎週病院前で挨拶し、何か希望の情報はないか聞いてくれた」と、コロナ禍には難しかった活動を再開し、医師の印象に強く残った同社MRもいたようだ。
◎武田薬品 5票増の108票獲得 腫瘍内科、精神神経科、循環器科で票数増
2位の武田薬品は5票増の108票を獲得した。フリュザクラなどの情報活動で腫瘍内科で5票増、トリンテリックスを中心に精神神経科や循環器科でも各4票増とし、消化器科や皮膚科などの票数減をカバーした。得意の消化器科でも票数を減らしたが、「消化器領域に非常に詳しい」とのコメントが寄せられた。
◎AZ 得票94票のうち64票は勤務医から MR活動に呼吸器科医「頻度と内容が充実」
3位は前年4位のAZで16票増の94票を獲得した。肺がんや重症喘息などを対象疾患とする新薬により呼吸器科で13票増の47票を獲得したことが、全体のトップ3入りに大きく貢献した。得票数94票のうち、64票を勤務医からの評価によるもので、勤務医による評価ランキングで初の首位にたった。同社MRの情報活動に対しては「頻度と内容が充実している」、「頻回の訪問」など情報提供の量と質を評価するコメントが散見され、多岐にわたる新薬群とエビデンスの多さが定期的なMR活動を支えているともいえそうだ。
◎4位タイにアステラス製薬と大塚製薬 6位 MSD 7位 ファイザー 8位 中外製薬
4位タイはアステラス製薬(得票数:92票、前年調査比1票減、前年2位)と大塚製薬(同92票、26票増、5位)、6位はMSD(同63票、9票増、8位)、7位はファイザー(同62票、7票増、7位)、8位は中外製薬(同50票、8票減、6位)、9位は日本イーライリリー(同49票、1票増、10位)、10位はマルホ(同48票、3票減、9位)――だった。
アステラス製薬はイクスタンジやパドセブを中心に泌尿器科で47票獲得も、同科で7票減。整形外科などでカバーして全体1票減にとどめたが、トップ3に入った企業が好調だったことも影響し、前年2位から順位を下げた。大塚製薬は国内初のアルツハイマー型認知症に伴うアジテーションの適応を追加したレキサルティの情報活動で多くの精神神経科医を満足させ、同科で14票増の51票を獲得したことが全体26票の大幅増につながった。
MSDは主力品のキイトルーダで消化器科や呼吸器科で存在感を発揮。一般内科でも今回トップ10入りし、HPVワクチンのキャッチアップ接種の説明が印象に残ったとの声もあった。ファイザーは一般内科と循環器科で票数を伸ばし、新型コロナ関連製品やエリキュースで存在感を見せた。
中外製薬は開業医市場の減少が全体の減少につながった。製品ポートフォリオのスペシャリティシフトが調査結果に反映したとみられる。日本イーライリリーは特に皮膚科で票数を伸ばし、トルツ、オルミエント、イブグリースなどに評価コメントが寄せられた。マルホは得意の皮膚科で4票減らしたものの同科で46獲得し、全体トップ10を維持した。
なお、診療科別の1位は、一般内科、循環器科、整形外科は第一三共、消化器科は武田薬品、呼吸器科はAZ、精神神経科は大塚製薬、泌尿器科はアステラス製薬、皮膚科はマルホ、腫瘍内科は中外製薬――だった。
調査は、ミクス編集部がエムスリーの協力を得て行った「医師が求めるMR調査2025年版」。調査対象はm3.com登録医師で、一般内科、循環器科、消化器科、呼吸器科、精神神経科(心療内科含む)、整形外科、皮膚科、泌尿器科、腫瘍内科――の9診療科の医師。回答医師数は腫瘍内科を除く8診療科が各100人(開業医/勤務医各50人)、腫瘍内科は勤務医50人で、計850人の医師から回答を得た。調査期間は24年12月10日~20日でインターネットを通じて調査した。
*近日中に、診療科別の優れているMRランキングのニュース記事を配信します!