ダイドーファーマ 国内医療用薬市場に参入 ファダプス錠を1月15日から販売 共創未来Gの1社流通で
公開日時 2025/01/22 04:52
ダイドーファーマが国内医療用医薬品市場に参入した。ダイドーファーマは缶コーヒーなどを手掛けるダイドーグループホールディングスの100%子会社で、希少疾病用医薬品に着目した事業を展開する。国内承認を取得した第1号製品であるランバート・イートン筋無力症候群(LEMS)の筋力低下の改善薬・ファダプス錠10mg(一般名:アミファンプリジンリン酸塩)の販売を1月15日から始めた。製品流通は東邦ホールディングスが束ねる共創未来グループが担う。
同社は「先天性の希少疾病や、ウルトラオーファンなどの治療薬開発に取り組むべく、優良なパイプラインの獲得に向けた活動を続ける」としている。なお、MR数は非開示。
ファダプスは、ダイドーファーマが米国カタリスト社から日本国内でのLEMSを対象とする開発・販売権及び商品化実施権を取得し、日本で開発してきたもの。2024年9月に承認を取得し、11月に薬価収載された。中医協資料によると、9年後のピーク時で投与患者数205人、販売金額10億円と予想している。薬価は10mg1錠で3848.70円。
ファダプスは経口のK+(カリウムイオン)チャネル阻害薬。神経筋接合部の前シナプス膜にある膜電位依存性 K+チャネルを阻害することで、細胞膜の脱分極を引き起こし、膜電位依存性 Ca2+(カルシウムイオン)チャネルを開口させる。そして、細胞内へのCa2+の流入を促進することにより、アセチルコリンを含むシナプス小胞のエキソサイトーシスを誘発し、シナプス末端からシナプス間隙へのアセチルコリンの放出を促進、神経-筋伝達を向上させることで筋肉の機能を改善すると考えられている。
LEMSは神経筋結合部・自律神経の自己免疫疾患。神経終末からのアセチルコリン放出量減少により、近位筋の筋力低下や自律神経症状などが現れる。LEMSは50%以上に悪性腫瘍(主に小細胞肺がん)を合併するといわれている。
ダイドーファーマは、千葉大学発バイオベンチャーのセルジェンテック社(本社:千葉市中央区)との間で、希少疾患の家族性LCAT欠損症を対象とするLCAT遺伝子導入ヒト脂肪細胞医薬品(LCAT-GMAC)の日本における共同開発、共同販売の独占的実施に関するライセンス契約を締結している。現在、千葉大学で医師主導治験を実施中。ダイドーファーマにとってLCAT-GMACが2剤目の取扱製品になる可能性がある。