田辺三菱製薬 ユプリズナでIgG4関連疾患の適応追加を承認申請
公開日時 2025/03/24 04:50
田辺三菱製薬は3月21日、抗CD19モノクローナル抗体製剤・ユプリズナ点滴静注について、IgG4関連疾患の適応追加を承認申請したと発表した。ユプリズナは厚労省からIgG4関連疾患について希少疾病用医薬品の指定を受けており、優先審査の対象となる。
IgG4関連疾患は、B細胞活性化によるIgG4陽性形質細胞が全身に浸潤し、複数の臓器で腫大、結節・肥厚性病変や線維化を伴う進行性の疾患で、寛解期と予測不能な疾患再燃を特徴とする。日本で承認されているIgG4関連疾患の治療薬はない。また、ステロイド治療により一定の効果がみられるが、再発が多く再発時の治療法は確立されていない。
今回の申請は、IgG4関連疾患の患者を対象にアムジェンと共同実施したグローバル第3相臨床試験(MITIGATE試験)に基づく。同試験ではIgG4関連疾患の再燃リスクの低下におけるユプリズナの有効性および安全性を評価した。
ユプリズナは、基礎疾患の進行に関与する重要な細胞を標的として持続的に枯渇させるヒト化モノクローナル抗体(mAb)で、形質芽細胞および一部の形質細胞を含む自己抗体産生CD19陽性B細胞。日本では2021年に視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防を適応症として承認されている。
IgG4関連疾患の有病率は全世界で10万人中5人と推定されているが、限られた疫学データに基づいてIgG4関連疾患の患者数を決定することは困難だとしている。IgG4関連疾患の典型的な発症年齢は50~70歳で、他の多くの免疫介在性疾患とは異なり、IgG4関連疾患は女性よりも男性で発症する可能性が高い。