FRONTEO AI創薬アプローチの実例紹介 文献データ活用で未知の標的分子を抽出
公開日時 2025/01/17 04:49
FRONTEOは1月16日、AI創薬支援サービス「Drug Discovery AI Factory」(DDAIF)において、文献データを活用して未知の標的分子を抽出した実例を紹介するホワイトペーパーを公開した。ホワイトペーパーでは、学術出版社のシュプリンガーネイチャーの600誌、25年分の論文を基に、FRONTEOが開発した特化型AI「KIBIT」を通じて、疾患関連性の高い未報告の標的分子を抽出。裏付けとなる疾患メカニズムなどの仮説生成を行うプロセスも解説している。同社は「ファーストインクラスの開発に向けた新たな創薬アプローチになる」とアピールしている。
FRONTEOのKIBITは独自の自然言語処理技術や解析した情報をマップ化する技術を活用し、既知の文献情報から未知の関連性の発見に強みを持つ。科学誌のNatureなどを出版するシュプリンガーネイチャー社との業務提携により、600誌の掲載論文のフルテキストデータなどを解析に用いることができる。
今回のホワイトペーパーでは、シュプリンガーネイチャー社が出版した1997~2022年の600誌の文献データから高血圧に関連する遺伝子を探索。関連度合いを示すKIBITスコアが高い遺伝子のうち、「LVRN」という遺伝子が最もスコアが高いとされた。一方で、FRONTEOによると、LVRNは22年までに論文で高血圧との関連は示されておらず、24年になって高血圧とLVRNとの関連を示す論文が発表されたという。
また、KIBITを導入した企業の新規標的探索では、2週間から2カ月で特定の疾患との関連性が高い標的分子を抽出したり、標的分子のin vitroおよびin vivo試験で実証されたりと実績につながっているという。同社は「標的分子の洗い出しやスクリーニングが2週間程度で行うことができ、新規性の高い標的分子の抽出がスピーディーに実現できる」としている。