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第一三共 ADCの抗体部分「抗TA-MUC1抗体」の知的財産権 独社から1億3250万米ドルで買い取り

公開日時 2025/01/16 04:49
第一三共は1月14日、独Glycotope社が創製した抗TA-MUC1抗体・gatipotuzumabの知的財産権を1億3250万米ドルで買い取ったと発表した。抗TA-MUC1抗体は、第一三共の6番目のDXd ADCとして開発中の「DS-3939」(開発コード)の抗体部分。TA-MUC1は、多くの上皮がんで過剰発現していることから、がん治療の有望な標的といわれているが、TA-MUC1を標的として承認されているがん治療薬はない。

DS-3939は、第一三共独自のDXd ADC技術を活用して創製された抗TA-MUC1 ADC。1つの抗体につき約8個のトポイソメラーゼI阻害薬(DXd)が結合。5DXd ADCs(エンハーツ、ダトロウェイ、HER3-DXd、I-DXd、DS-6000)に続く6番目のDXd ADCとして、非小細胞肺がんや乳がんなどの固形がんを対象とした、日本を含むグローバル第1/2相臨床試験を行っている。

TA-MUC1は、腫瘍特異的に異常な糖鎖修飾を受けた膜貫通型の糖タンパク質で、多くの上皮がんにおいて過剰発現しているとされる。

第一三共は、抗TA-MUC1抗体・gatipotuzumabを第一三共のADC技術を活用してADC化した薬剤を全世界で独占的に開発・商業化する権利を取得するため、2018年にGlycotope社とライセンス契約を締結した。今回の知的財産の買い取りにより、18年のライセンス契約に規定された各種マイルストン及び販売ロイヤルティの支払義務を果たしたことになる。第一三共は、「当社は幅広いがん種における新たな治療の選択肢を提供するため、DS-3939の開発を加速するとともに、当社のADCパイプラインの価値最大化を図っていく」としている。
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