サワイGHD・澤井会長 4月以降の価格政策「上げる余地のあるものはギリギリいっぱいまで上げる」
公開日時 2023/08/10 04:51
サワイグループホールディングスの澤井光郎代表取締役会長兼社長は8月9日の24年3月期第1四半期決算説明会で、4月以降の新たな価格政策に言及した。澤井会長は(仕切価を)「上げる余地のあるものは、もうギリギリいっぱいまで上げる」と強調。「薬価が上がっているのに、仕切価を据え置くこと、つまりは対薬価率で仕切価率を下げるということになるが、そういったものは当社にはありません」と言い切った。沢井製薬の木村元彦代表取締役社長も、「今までとは異次元の価格政策をとらせて頂いている」と述べ、「卸に説明し、協力を求めている状況」と強調した。
23年度薬価改定では、臨時・特例的に不採算品再算定が行われた。次期24年度薬価改定に向けて製薬業界は不採算品再算定をはじめ、低薬価品目の薬価上の下支えを要望しているところ。一方で8月2日の中医協薬価専門部会では、不採算品再算定の仕切価を引下げている企業が存在するとのデータが示されるなど、早くも中医協の各側委員から疑問を投げかけられる場面も見られた。
澤井会長はこの日の会見で、4月以降の価格政策については、「2通りある」と指摘。「上げる余地のあるものはギリギリまで上げる。薬価には消費税10%が含まれているから90.2%が最大の仕切価の上限値だ。以前から不採算品目は殆どが90.2%で仕切っていたので、薬価が上がっても、仕切価率は一緒の90.2%。仕切価率は変更しない」と強調した。
一方で、「それよりも少し低いもの。88%とか、87%のものは90.2%まで薬価が上がれば上げるという今回は政策をしている」と説明。「薬価が上がっているのに、仕切価格を据え置くこと、つまりは対薬価率で仕切価率を下げるということになりますけど、そういったものは当社にはありません」と述べ、すでに仕切価の見直しを行ったことを明らかにした。
◎沢井製薬・木村社長「これから実際に価格が決まっていく」 取引卸と密な連携を
沢井製薬の木村社長は、「今までとは異次元の価格政策をとらせて頂いている。それについては卸にしっかりと説明し、協力を求めている状況だ」と説明。「これから実際に価格が決まっていく状況なので、我々の営業もしっかり卸さんと連絡を密に取りながら我々の意向を汲んでいただいた価格の調整をしていただく」と述べ、「これから勝負かなと思います」と強調した。