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【中医協薬価専門部会 12月25日 議事要旨 25年度薬価改定の骨子(案)について】

公開日時 2024/12/26 04:48
中医協薬価専門部会が12月25日に開かれ、「令和7年度薬価改定の骨子(案)」について議論した。本誌は、診療・支払各側委員の質疑について発言内容を議事要旨として公開する。

安川部会長:本日は令和7年年度薬価改定の骨子案を議題といたします。事務局より資料が提出されておりますのでご説明をお願いいたします。

事務局:医療課長でございます。本日は政府側のスケジュールが遅れまして、薬価専門部会の開始が遅れたことをお詫び申し上げます。また本日は薬剤管理官がこの場に出席ないため、私が代わりにご説明を申し上げます。

資料「薬―1」をご覧ください。前回の薬価専門部会等を踏まえて、令和7年度薬価改定の骨子案をまとめたものでございます。本日この内容お諮りいたします。

まず1ページ目の「基本的考え方」です。令和7年度薬価改定については、平成28年の基本方針を踏まえ、今月20日の3大臣合意、さらに本日の大臣折衝でまとまった事項、それに基づいて行うこととさせていただいております。

本日の大臣折衝事項につきましては、資料2ページ目に薬価改定に関する部分を抜粋いたしております。「(1)薬価改定」でございますが、前回の薬価専門部会でご議論いただいた骨子たたき台と同様の内容となってございます。順に具体的な内容についてご紹介いたします。

資料2ページ目の「第2 具体的内容」の「1.対象品目及び改定方式」をご説明いたします。改定の対象範囲については、国民負担軽減の観点、創薬イノベーションの推進や、医薬品の安定供給の確保の要請にきめ細かく対応する観点から、品目ごとの性格に応じて対象範囲を設定するとされています。

具体的には平均乖離率5.2%を基準として、新薬創出等加算品目、対象品目についてはその1.0倍、新薬創出等加算対象品目以外の新薬はその0.75倍、長期収載品は0.5倍、後発品およびその他医薬品はその1.0倍をそれぞれ超える医薬品を改定対象とするとされています。

改定方式は、「市場実勢価格加重平均値調整幅方式」とし、具体的には以下の算出式(資料「薬―1」3ページ掲載)で算定した値を改定後薬価とするとされておりまして、算出式は通常の改定と同様となってございます。

続いて「2.適用する算定ルール」でございます。「※」印で書いているものは、それぞれのルールの運用の観点で留意すべき事項等を付記させていただいているものです。「(1)基礎的医薬品」ですが、「※」のところで乖離率要件等を記載いたしております。

「(2)最低薬価」でございますが、最低薬価の引き上げを行います。「※」印には現在最低薬価の価格にある基礎的医薬品も忘れずに引き上げるということを記載させていただいております。

「(3)不採算品再算定」については、急激な原材料費の高騰と安定供給問題に対応するため、医療上の必要性が特に高い品目として、基礎的医薬品とされたものと組成および剤形区分が同一である品目、安定確保医薬品のカテゴリAおよびBに位置づけられている品目、昨年10月18日および11月7日に厚生労働大臣が増産要請を行った品目を基本に、臨時特例的に適用することとし、その際、組成、剤形区分および規格が同一である類似薬の乖離率の平均が5.2%を超える品目は対象外としています。

ただし、厚生労働大臣が増産要請を行った品目については、医薬品の安定供給の確保の要請にきめ細かく対応する観点から、乖離率要件は適用しないとしています。

また、現行の不採算品再算定のルールである組成、剤形区分および規格が同一の全ての類似薬が不採算であることの規定は、大臣増産要請品目については、要請企業が限定されていることから適用せず、また、基礎的医薬品および安定確保医薬品A、Bについては、一部品目が令和5年、6年で不採算が解消されているものもあることから、これらを除いて適用するとしています。

続きまして「(4)新薬創出・適応外薬解消等促進加算(加算及び累積額控除)」でございます。創薬イノベーションの推進と国民負担軽減といった基本的考え方を踏まえ、加算および累積額控除、新薬創出等加算対象品目等を比較薬として算定した品目の取り扱いを含む、を適用することとしています。

「(5)後発品等の価格帯」については、「※」印で価格帯集約において、今回改定の対象外となるものがあることから、その留意点を記載しております。

「(6)既収載品の外国平均価格調整」、「(7)既収載品の薬価改定時の加算」については、令和6年度薬価制度改革を踏まえた考え方に基づくルールを適用することとしています。

「(8)長期収載品の薬価の改定、市場拡大再算定その他の既収載品の算定ルール」について、令和7年度改定においては適用しない算定ルールについて付記しております。

「3.その他の取扱い」ですが、(1)規格間の価格逆転防止、(2)今年度薬価調査において、取引が確認されなかった品目、(3)今回適用しない算定ルールにおける適用範囲の整理、(4)既収載品の薬価改定時の加算における加算事項の適用期間をお示しております

最後に「第3 その他」として、創薬イノベーションの推進、医薬品の安定供給の確保、国民負担の軽減を踏まえ、これまでの薬価制度改革の検証も行いつつ、令和8年度薬価制度改革に向けて検討するということを記載しております。資料のご説明は以上でございます。

安川部会長:はい、ありがとうございました。それではただいまのご説明に関してご質問等ございましたら、お願いいたします。では長島委員お願いします。

長島委員:ありがとうございます。本日提案された骨子案は、これまでの議論を踏まえた内容となっており、異論ございません。

国民が必要な医療をいつでも受けられるよう、関係者が努力し、未だ満たされていないニーズのある疾患の治療に資する新薬が開発されることを願うとともに、薬価改定実施による今後の供給面への影響を注意深く見守る必要があることを申し述べたいと思います。私からは以上です。

安川部会長:ありがとうございました。林委員お願いいたします。

林委員:ありがとうございます。本日示されました骨子案は今までの議論を踏まえたものでございまして、異論はございません。その上で引き続き、足元の医薬品の安定供給問題に関し、その影響をしっかりと精査しながら、問題解決に向けてご配慮を、歯科からもよろしくお願いしたいと思っております。以上でございます。

安川部会長:はい。ありがとうございました。はい。続いて森委員お願いいたします。

森委員:はい、ありがとうございました。事務局おかれましては骨子案を取りまとめいただきありがとうございました。本骨子につきましては、これまでの議論を踏まえたものと理解しており異論ありません。

国民負担の軽減と医療の質向上を同時に実現すること、つまりコストを下げて医療の質の向上を実現することは非常に難しく、中間年改定が医療の質向上となるのか、どうすれば質向上となるのか、引き続き大きな課題だと考えます。国民や薬局、医療機関が恩恵を受けられる中間年改定、医療の質向上に結びつく中間年改定とすべきであり、令和7年度薬価改定が、薬局、医療機関、製薬企業、医薬品卸など関係者の経営実態、ドラッグ・ラク/ロス、安定供給問題、地域の医薬品提供体制にどのような影響を与えたのか、医療の質向上に結びついたのかなどしっかりとフォローし、今後の対応を検討していく必要があると考えます。以上です。

安川部会長:ありがとうございました。では松本委員お願いいたします。

松本委員:はい、ありがとうございます。骨子案につきましては前回までの議論を反映したものであり、異論はございません。その上で3点コメントしたいと思います。

まず市場実勢価改定につきまして、今回カテゴリ別にメリハリをつける考え方は、診療報酬改定のある年の薬価改定も含めまして、今後の実勢価改定を検討する上で非常に重要な論点になるというふうに考えております。次期薬価制度改革に向け、これまで議論が深まらなかった課題についても、早い段階で議論を始めるための準備を事務局にはお願いをしたいと思います。

次に新薬創出等加算品目の改定範囲を狭めることについては、前回のこの部会で薬剤管理官から後発品が上市された際の控除額を抑制することも含めて、イノベーションの評価であるという説明がございました。政府の判断は尊重いたしますが、先発品メーカーにおかれましては、開発方針の意思決定だけではなく、早期に実際の投資や研究開発に繋げ、より多くの革新的な新薬を患者に届けていただきたく、さらに特許が切れた後は、速やかに後発品に試乗することを徹底していただきたいと思います。

最後でございますが、安定供給の確保につきましては、依然として後発品を初めとする医薬品の供給不足が続いており、不採算品再算定だけでなく、薬価上の措置そのものがすぐに効果が出るものではないというふうに感じております。

一方で産業構造の見直しには時間がかかります。既に医療現場で様々な努力なされていると思いますけども、この限られた医薬品をどのように使うのか、全体を最適化する取り組みも並行して進めていただきたいと思います。私から以上でございます。

安川部会長:はい。ありがとうございます。他にご意見はございますか。では佐保委員お願いします。

佐保委員:はい、ありがとうございます。これまでも発言してきたことですが、安定供給に向けて人材確保と賃上げが重要だと考えております。今回の内容は大臣合意に基づいたものとして受け止め、異論はありませんが、今後に向けては中間年改定のあり方を含め、さらにしっかり検討する必要があると考えます。私から以上です。

安川部会長:ありがとうございました。他にご意見はございますか?よろしいですか。はい。ありがとうございました。他にご意見等がないようでしたら、本案を総会に報告したいと思いますが、よろしいでしょうか?

(各側了承)

安川部会長:はい、ありがとうございます。それではそのようにいたします。本件の議論はここまでといたします。本日の薬価部会の議題は以上です。次回の日程につきましては、追って事務局よりご連絡をいたします。本日の薬価専門部会、これにて閉会といたします。1年間どうもありがとうございました。
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