アルナイラム RNAi治療薬ギボシランを承認申請 急性肝性ポルフィリン症治療薬として
公開日時 2020/09/30 04:50
Alnylam Japan(アルナイラム)は9月29日、急性肝性ポルフィリン症(AHP)治療に用いるRNAi治療薬・ギボシランナトリウム(一般名)を日本で承認申請したと発表した。厚労省から希少疾病用医薬品に指定されており、優先審査される。
AHPは重症かつ原因不明の腹痛や、嘔吐、けいれんなどの消耗性の発作を特徴とする遺伝性の希少疾患。発作中に麻痺や呼吸停止の可能性もあることから生命を脅かす危険もある。AHPの多くの患者で、発作と発作の間も持続する疼痛などの慢性症状を伴い、日常機能とQOLに悪影響を及ぼす。症状などから婦人科疾患やウイルス性胃腸炎などの一般的な他の疾患と診断されることもあり、確定診断までに10 年以上かかる患者もいるという。
ギボシランは、アミノレブリン酸合成酵素1(ALAS1)を標的とするRNA干渉(RNAi)治療薬。ALAS1メッセンジャーRNA(mRNA)を特異的に低下させることで、AHPの発作やその他の症状の発現に関連する毒性を減少させる。第3相試験では、ギボシランはプラセボと比較して、入院、緊急訪問診療、自宅における静脈内ヘミン投与を要するポルフィリン症の発作率を有意に低下させることが示されたとしている。
同社は、米国Alnylam Pharmaceuticalsの日本法人で、核酸医薬のひとつであるRNAi治療薬を日本に導入するために2018年7月に設立された。同年にトランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチーを適応症とする日本初のRNAi治療薬・オンパットロ点滴静注(一般名:パチシランナトリウム)を上市した。ギボシランは日本国内で2成分目となるRNAi治療薬の承認申請となる。