英NICE 抗がん剤ヨンデリスのNHSでの使用を推奨
公開日時 2010/03/03 04:00
英国立臨床評価研究所(NICE)は、ファーママー(本社:スペイン、マドリード市)の抗がん剤ヨンデリス(一般名:トラベクテジン)について、NHS(国民保健サービス)下で、進行性軟部組織肉腫患者への投与を推奨することを決めた。NICEが2月24日、同剤の最終使用ガイダンスを発表した。
ヨンデリスは、ホヤ類から発見された海産物由来物質で、がん細胞のDNAを傷害する作用を持つ。NICEでは、同剤の使用を進行性軟部組織肉腫患者でアントラサイクリン系抗生物質およびイホスファミドが無効、あるいは、これら薬剤に不耐容もしくは禁忌の患者に対しての使用を推奨している。
NICEは、当初のガイダンス案では、コストの観点から同剤の使用を推奨していなかった。しかし、ファーママーが一定の使用期間を超えても、同剤を必要とする患者の薬剤費負担を申し出たため、コスト減が図られるとし推奨することを決めた。
同剤については、大鵬薬品が09年3月29日にファーママーとライセンス契約を締結、国内での開発・販売権を獲得している。現在、国内での臨床試験実施について検討中という(同社広報)。