ヤンセンファーマ ダラキューロで高リスクのくすぶり型多発性骨髄腫の適応追加を一変申請
公開日時 2025/02/18 04:48
ヤンセンファーマは2月14日、ヒト型抗CD38モノクローナル抗体/ヒアルロン酸分解酵素配合剤・ダラキューロ配合皮下注について、「高リスクのくすぶり型多発性骨髄腫」の適応追加を一変申請したと発表した。承認されれば、ダラキューロは多発性骨髄腫に進行するリスクの高いくすぶり型多発性骨髄腫に対する国内初の治療薬となる可能性がある。
くすぶり型多発性骨髄腫は、多発性骨髄腫の無症候性の前駆状態であり、異常な形質細胞が骨髄内で検出されるが、無症状。現在は多発性骨髄腫に進行するまで治療されておらず、標準的なアプローチとして生化学的な病勢進行及び/又は末端の臓器障害発現まで経過観察とし、症候性となってから治療を開始している。しかし最近のエビデンスでは、多発性骨髄腫への進行リスクの高い患者には、早期からの治療介入が効果的である可能性が示唆されている。
今回の申請は、高リスクのくすぶり型多発性骨髄腫の患者を対象に、ダラキューロ単剤療法による有効性及び安全性を検証した国際共同第3相試験(AQUILA)に基づく。同試験では、ダラキューロ単剤療法群は経過観察群と比較し、観察期間中央値65.2カ月(範囲:0~76.6カ月)の時点で、多発性骨髄腫への進行や死亡リスクを51%低下させた。新たな安全性シグナルは認められなかった。
ダラキューロは日本で2021年3月に多発性骨髄腫の治療薬として承認され、同年5月に発売された。多発性骨髄腫、全身性ALアミロイドーシスの2つの疾患で、5つの治療レジメンで使用されている。