第一三共 EMA・CHMP Dato-DXdで「HR陽性・HER2陰性」の手術不能、転移性乳がんに承認勧告
公開日時 2025/02/05 04:49
第一三共は2月3日、欧州医薬品庁(EMA)・医薬品委員会(CHMP)からダトポタマブ デルクステカン(Dato-DXd/DS-1062、抗TROP2抗体薬物複合体・ADC)について、ホルモン受容体(HR)陽性かつHER2陰性の手術不能または転移性乳がんに係る2次/3次治療で承認を推奨する肯定的見解が示されたと発表した。グローバル臨床第3相試験(TROPION-Breast01)の結果に基づき、2024年3月にEMAから承認申請が受理されていた。
TROPION-Breast01は、HR陽性かつHER2低発現または陰性の手術不能または転移性乳がんで、化学療法の前治療歴のある患者700人超を対象に、同剤投与群の有効性および安全性を化学療法投与群と比較して評価した。その結果、主要評価項目の一つである全生存期間については、同剤投与群は化学療法投与群に対し、統計学的に有意な改善は認められなかったが、もう一つの主要評価項目である無増悪生存期間(OS)を達成した。
今回のCHMPの肯定的見解について同社は、「欧州連合(EU)における医薬品の製造販売を承認する欧州委員会への最終的な承認勧告とみなされる。CHMPによる承認勧告を受け、今後ECにて審議され、本剤の承認可否は数か月以内に決定される見込み」とコメントした。
なお、HR陽性かつHER2陰性の手術不能または転移性乳がんの2次/3次治療を対象に、日本、米国において製造販売承認を取得している。現在、中国を含む各国・地域の規制当局と協議を進めている。