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富士製薬・森田新社長 女性医療領域軸に「圧倒的な強みの獲得にこだわる」 就任会見で抱負

公開日時 2024/10/03 04:51
富士製薬の森田周平代表取締役社長は10月2日、東京都内で就任会見に臨み、注力する女性医療領域を軸に「10年後、20年後を見据え、私たちが提供できる価値や他者にない圧倒的な強みの獲得にこだわっていく」と抱負を述べた。また、9月に承認された月経困難症治療薬・アリッサ配合錠などの新製品をはじめ、バイオシミラー事業や海外事業などを念頭に「製品をしっかり市場に浸透させ、さらにその先の成長ドライバーを獲得していく。海外にも販路を広げ、成長の角度をさらに大きくしていきたい」と強調した。

森田社長は、藤沢ファイソンズ(現サノフィ)やグラクソ・スミスクラインでMRとして開業医や大学病院を担当後、2010年に富士製薬に入社。MRとしてスタートした後、営業本部長や、原材料の調達から製品出荷までを管理するSCM部長などを務めた。23年9月からは経営企画部長として24年10月以降の新中期経営計画の作成を主導し、10月1日付で代表取締役社長に就任した。

◎女性医療領域の専門MR90人配置 情報提供活動におけるPaid Mediaとの協業「非常に有効」

会見では、森田社長は約半世紀にわたり築いてきた女性医療領域における同社の強みを紹介。その上で、女性を取り巻く健康課題に触れ「まだまだこの領域で我々がやらなくてはいけない、責任を果たさなくてはいけないことがたくさんある」と訴えた。2035年へ向けた長期ビジョンとして「女性医療で新たな価値を創出し続け、誰もがwell-beingを実感できる社会へ貢献する」と掲げた。

こうした強みをさらに伸ばしていく上での施策も展開している。10月からは販売体制を再編。アリッサの市場浸透もにらみ、MR150人のうち90人を女性医療領域専門MRとした。また、現状の課題として、産婦人科医へのリーチには自信をのぞかせた一方で、女性の患者が多い内科や皮膚科などに対して「現状のリソースでは足を運ぶことができていない医療機関も多い」(森田社長)と説明。その上で、適正使用情報の提供活動にPaid Media(3rd Party)を活用する意義について、「女性が健康課題を抱えて訪問する医療機関は産婦人科に限らない。他の診療科にも情報を広げたり、疾患啓発をしたりする際には非常に有効だ」と協業拡大の可能性もにじませた。

◎新中計で「既存製品の価値最大化目指す」 成長戦略に女性医療やバイオシミラーなど 

さらに25年9月期からの新中期経営計画では成長戦略として、▽女性医療▽バイオシミラー▽グローバルCMO▽次の成長ドライバーの仕込み・見極め―の4点を掲げ、「既存製品、開発製品の価値最大化を通じて成長を目指す」とした。

このうち、バイオシミラーについては18年にバイオシミラーの開発・製造を手掛けるアイスランドのAlvotech社とパートナーシップ契約を締結。すでに販売開始しているウステキヌマブBSに続く2製品目の製造販売承認申請を9月30日に発表したばかりだ。森田社長は「医療費抑制政策の追い風を受けてAlvotech社との提携品目を順次国内で上市していく」とした一方で「10年後、15年後の見通しとしては、バイオシミラー事業の将来も見据えて品目や機会ごとに慎重に検討して判断していきたい」と述べた。

また、次期成長ドライバーについて、女性医療領域を中心とした導入品を念頭としつつ、森田社長は「将来的にはもっと早いフェーズも含めて、シーズの探索と目利きができる体制を整えたい」と語った。新中期経営計画は11月に行う説明会で改めて数値目標や具体的な施策を示すとしている。
 
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