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小野薬品・相良会長 オプジーボ国内承認から10周年 「段階的に信頼を得た」 BMSと共催の記念セミナー

公開日時 2024/07/25 04:51
小野薬品の相良暁代表取締役会長CEOは7月24日、免疫チェックポイント阻害薬(ICI)・オプジーボ(一般名:ニボルマブ)の国内承認から10周年を記念したブリストル・マイヤーズ スクイブとの共催セミナーで、「がん免疫療法という新たな治療法を患者さんに提供でき、感謝の言葉から我々も喜びをいただいた。いいことも苦労も経て、段階的に信頼を得ることができた10年間だった」と振り返った。セミナーでは、がん免疫療法に関して新たな治療選択肢として医師の9割が評価したとする調査結果も公表した。

13のがんで適応 国内の推定患者数は約19万人

抗PD-1抗体のオプジーボは、2014年7月に「根治切除不能な悪性黒色腫」を効能・効果として国内で承認され、これまでに13のがんで適応を取得している。小野薬品によると、これまでの推定患者数は国内だけで約19万人に上るという。

◎医師9割「がん治療の選択肢として地位を築いた」 免疫療法に関する調査結果公表

がん免疫療法に関する調査は、がん治療経験のある医師100人とがん患者900人を対象に実施。医師への調査では9割が「がん治療の選択肢として地位を築いた」と評価した。ICIを処方された経験のある患者200人の68.0%が「治療法の選択肢が増えてうれしい」と回答した。がん免疫療法についての認知度では、未使用患者700人の63%に上ったが、このうち「抗がん剤治療等とは異なる副作用がある」という認知・理解は26.3%にとどまった。また、医師への調査では、治療法のさらなる浸透へ向けて「エビデンスのない医療行為や情報への厳格な措置」や「患者や家族への啓発」が必要との回答がそれぞれ約4割に上った。講演した小野薬品の高井信治執行役員メディカルアフェアーズ統括部長は「がん免疫療法の正しい理解促進のために情報発信に積極的に取り組んでいきたい」との認識を示した。

◎免疫関連の有害事象や副作用 「マネジメントや教育プログラム重要」

がん治療に与えたインパクトについて講演した近畿大学医学部内科学腫瘍内科部門の林秀敏主任教授は「まだまだ完璧な薬ではなく、効く患者さんは2割程度。ただ、その2割でも患者さんにとっては希望になる」と評価。その上で、オプジーボは原発不明癌など希少がんでも適応を取得しており、抗がん剤治療や放射線治療などとの組み合わせで様々な治療の選択肢が増えた点を強調した。一方で、免疫関連の有害事象や副作用が課題として、他領域の医師との連携など「副作用のマネジメントや教育プログラムも重要で、臨床医も学び、研究していかないといけない」と訴えた。

セミナーでは、がん免疫療法を経験したがん患者も交えた座談会もあった。ステージ4の肺がんだった清水公一さんは全身への転移で一時は命も危ぶまれたが、ICIによって寛解に至った。新たな治療法によって「それまで描けなかった未来を描けるようになった」と振り返った。


【訂正】下線部の表記に誤りがありました。訂正します。(2024年7月25日10時35分)
 
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