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BMS アロステリック阻害薬・マバカムテン 閉塞性肥大型心筋症治療薬として承認申請

公開日時 2024/07/19 04:48
ブリストル・マイヤーズ スクイブ(BMS)は7月17日、閉塞性肥大型心筋症治療薬・マバカムテンを承認申請したと発表した。本剤は肥大型心筋症(HCM)に対する治療薬として、厚労省から希少疾病用医薬品に指定されている。

マバカムテンは心筋ミオシンに対する選択的かつ可逆的な低分子のアロステリック阻害薬。ミオシンとアクチンのクロスブリッジ(架橋)形成を抑制することで、心筋において収縮力及びアデノシン三リン酸(ATP)消費を抑制する新規作用機序を有する。また、HCMの主原因とされるサルコメアの異常に直接的に作用し、左室コンプライアンス(拡張機能障害)や左室流出路閉塞を改善させるHCMの病態生理を標的としており、承認されればファーストインクラスの薬剤となる。

HCMは、他の心疾患や全身性疾患など心室肥大を起こす明らかな原因がないにも関わらず、心室肥大が認められる原発性の心筋症で、左室流出路閉塞の有無により閉塞性と非閉塞性に大別される。閉塞性肥大型心筋症(oHCM)患者の臨床症状は個々でその程度は異なり、症状を有する場合、安静時又は労作時の息切れ、疲労、胸痛、立ちくらみ、失神が認められる。有効な治療がない中で徐々に悪化し、身体的負荷が増え、患者や家族の日常生活に多大な影響を及ぼす。

oHCMが進行すると、血栓塞栓性脳卒中のリスクが上昇する。突然死はHCM関連死の約40%を占め、HCMの最も重大な死因のひとつとなっている。

国内の開発計画は、海外第3相検証試験(MYK-461-005、EXPLORER-HCM)の結果を踏まえ、国内第3相試験(CV027004、HORIZON-HCM)を実施した。第3相HORIZON-HCM試験は、日本人のoHCM患者を対象にマバカムテンの有効性、安全性を評価した非盲検単群試験。主要評価項目の投与30週時の運動負荷後の左室流出路最大圧較差のベースラインからの変化量は、-60.7mmHg(95%信頼区間[CI]:-71.5~-49.9)だった。安全性プロファイルはこれまでに報告されているものと一貫しており、新たな安全性シグナルは認められなかった。

BMSの杉田真・研究開発本部長は、「肥大型心筋症は国内で指定難病として位置づけられており、現在のところ、その病態生理を標的とした治療薬は存在しない。マバカムテンが慢性かつ進行性のこの疾患のアンメットメディカルニーズの解消に貢献できることを期待している」とコメントした。

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