協和キリン ADC創製の権利取得 オランダのシナフィクス社とライセンス契約締結
公開日時 2021/08/06 04:49
協和キリンは8月4日、抗体薬物複合体(ADC)創製技術プラットフォームを持つオランダのシナフィクス社とライセンス契約を締結したと発表した。同社はがん領域の自社抗体2種について、シナフィクス社の独自技術を用いてADCに変換し、創薬研究活動を行う。
同社はシナフィクスに契約一時金を支払う。また、ADC標的に対して開発・商業化するとのオプション権を行使した場合、協和キリンは各ADC標的ごとにオプション料を支払うとともに、マイルストンや売上に応じたロイヤルティを支払う。具体的な経済条件やターゲットとするがん種などは開示していない。
シナフィクスは部位特異的なADC創製技術プラットフォームを用いて開発候補品となるADCを創出するバイオテクノロジー企業。同社にとって協和キリンは5例目のライセンスアウト事例で、日本企業との契約は初めて。同社の技術を基盤として開発中のADCのうち、3つの提携プログラムが臨床入りしているという。
協和キリンの鳥居義史研究開発本部長は、「シナフィクスの最先端のADC創製技術によって、作用機序や最適な構造が異なる複数のADCを、単一の技術ライセンスの下で迅速に創出することが可能になる」と期待感を示した。