2015年の新薬承認審査期間は9.9カ月 通常審査、優先審査品目とも短縮 政策研と東大の調査
公開日時 2016/07/06 03:51
日本製薬工業協会の医薬産業政策研究所(政策研)と東京大学大学院薬学系研究科が共同でまとめた報告書によると、2015年の新薬承認審査期間は、14年より0.2カ月短縮し、9.9カ月(中央値)となった。同様の調査は2000年から行われており、11年以降、5年連続で審査期間が12カ月を下回った。
15年の承認数は106品目(14年138品目)、審査期間は9.9カ月(同10.1カ月)。うち通常審査品目が68品目(同81品目)、審査期間10.9カ月(同11.5カ月)、オーファンドラッグなど優先審査品目は承認数30品目(同43品目)、審査期間8.0カ月(同8.8カ月)と、通常審査、優先審査のいずれの品目の審査期間も短縮した。報告書では「近年の審査期間は、審査区分によらず短期間で安定している」と指摘している。
15年の承認数106品目のうち、新規有効成分含有医薬品は38品目(同60品目)。既存製品に対する何らかの追加承認となるものでは、新効能薬品51品目(同45品目)、新用量医薬品9品目(同10品目)、新剤形医薬品3品目(同0品目)、新投与経路医薬品2品目(同8品目)。バイオ医薬品は14品目(同33品目)で、バイオ後続品はなかった。企業国籍別では外資系が57品目(同70品目)で、承認数全体の54%を占める。
報告書は「新薬の臨床開発と審査期間-2015年実績-」と題するもの。政策研の加賀山貢平・主任研究員と東京大大学院薬学系研究科の小野俊介・准教授が申請企業に対するアンケート調査と公表情報をもとにまとめた。