製薬協 くすりビジョナリー会議2024に参画 ステークホルダーとの対話通じ「共創を継続」
公開日時 2024/11/28 04:50
日本製薬工業協会は11月27日、患者団体や行政など7つの団体・組織で発足した「くすりビジョナリー会議2024」に参画したと発表した。11月1日に東京都内で開催された初会合では「医薬品のアクセス向上を目指して」と題し、「医薬品研究開発への患者参画」と「情報提供のあり方」について意見を交わした。各ステークホルダーがそれぞれの役割を担い、連携・協力していくことの必要性を確認。共同メッセージとして「国民がより良い生活を送るために、医療・くすり等に関わる課題について多様なステークホルダーによる率直な対話の場を創り、解決していく取り組み( Co-creation=共創 )の継続が重要である」とまとめた。
◎「医薬品研究開発への患者参画」と「情報提供のあり方」巡り意見交換
初めての会合となった11月1日の会議では、「医薬品研究開発への患者参画」について意見交換。患者参画の理解や取り組みでは「疾患や領域特有の課題、各ステークホルダー独自の課題などを背景に各ステークホルダーの中でも濃淡がある」として、患者参画をより広めていくために「ステークホルダーの枠を超えた対話や情報共有、相互理解の促進、各々のリテラシーの向上が必要」との立場を確認した。また、患者参画の先を見据え「将来的には“市民参画”に向けて対応していくことも目指す」とした。
「情報提供のあり方」では、「SNS等で誰でも情報を発信・入手できる時代にあたり、医療関係者と患者さんに向けて適切な情報が適切なタイミングで届くための環境整備が求められている」と問題提起。「安定供給や安全性に関する情報、および臨床試験(治験)に関する情報は、患者さんの命に係わる情報とも言え、行政・医療関係者・患者団体・製薬企業等、各ステークホルダーが連携し、より良い情報提供のあり方をともに検討していくことが必要だ」と求めた。
製薬協は「本会議に集う各ステークホルダーとの共創を通じて、患者さんやそのご家族が必要とする医薬品・治療等に関わる課題解決と、より暮らしやすい社会の実現を目指して、継続的に取り組んでいく」としている。
同会議は、様々なステークホルダーの協働により、医療や医薬品などに関わる課題の解決や患者参画の取り組みを進める目的で発足。発案した全国がん患者団体連合会をはじめ、日本難病・疾病団体協議会▽有機酸・脂肪酸代謝異常症の患者家族会ひだまりたんぽぽ▽ASrid▽厚生労働省▽医薬品医療機器総合機構▽製薬協―の7団体・組織が参画した。