武田薬品 週1回のDPP-4阻害薬トレラグリプチンを国内申請 14年度中の承認見込む
公開日時 2014/03/10 03:52
武田薬品は3月7日、2型糖尿病治療に用いるDPP-4阻害薬の週1回投与製剤トレラグリプチンコハク酸塩(一般名、開発コード:SYR-472)を同日に日本で承認申請したと発表した。DPP-4阻害薬の週1回製剤の申請は初めてとなる。同社は2014年度中の承認取得を見込んでいる。
同社はDPP-4阻害薬として、1日1回投与のネシーナ(一般名:アログリプチン安息香酸塩)や、ネシーナと同社のインスリン抵抗性改善薬アクトス(ピオグリタゾン塩酸塩)との配合錠リオベルを販売している。これらとは異なる作用機序の経口血糖降下薬も複数手掛けている。同社では、今回申請したトレラグリプチンはネシーナの後継品とは位置づけず、それぞれの経口血糖降下薬の特性を生かした治療提案をしていく方針。
トレラグリプチンの申請は、2型糖尿病患者を対象にした複数の第3相試験(P3)の結果に基づく。このP3の中にはトレラグリプチン、アログリプチン25mg、プラセボとの比較試験や、トレラグリプチンの52週間の長期投与試験がある。結果の詳細は開示していないが、「いずれの試験においても、トレラグリプチンの週1回投与で適切に血糖コントロールされるとともに、良好な安全性及び忍容性が確認されている」という。また、予定適応症は「2型糖尿病」だが、インスリンとの併用や他の経口血糖降下薬との併用に関する制限があるかないかについては明らかにしていない。
トレラグリプチンは武田薬品が2005年に買収した米シリックス社(現武田カリフォルニア社)が創製したもの。ネシーナも同社の創製品。