MS財団 NICEのガイダンス案見直しを求める
公開日時 2011/08/18 04:00
英国のMS(多発性硬化症)財団(MS Trust)は8月5日、NICEが新規MS治療薬Gilenya(フィンゴリモド)のNHSでの使用を推奨しないガイダンス案を発表(本紙8月17日付詳報)したことを受け、「失望した」と述べたうえで、ガイダンス案の見直しを求める同財団Pam Macfarlene理事長名の声明を発表した。
声明では、まず、ガイダンス案がNHSでのフィンゴリモドも使用を推奨しなかったことに失望を表明したうえで、欧州でRRMS患者に使用されていることで、NHSでの使用が推奨されることを信じていたとした。RRMSの患者は治療オプションが限定され、治療しなければ非常に若くして重度の障害に陥る可能性がある患者にとって新規治療法が待たれている状況を説明した。
MS財団では、英国のMS患者10 万人のうち、5500人がフィンゴリモドの投与対象患者と見込まれ、このほかに3600人が現在受療中の既存疾患修飾治療(DMT)が奏功せず、代替治療法を求めているという。このような患者にはフィンゴリモドのような新規DMTが重度の障害を遅らせる唯一の望みだと指摘した。
MS財団は、NICEのガイダンス案を検討し、コンサルテーションの段階で公式に反論する意向を示した。そのうえで、NICEがガイダンス案を見直すことを希望すると締めくくった。MS財団は、MS患者への情報提供、患者教育、MS治療研究への資金提供、専門医の支援などを幅広く展開している。