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薬食審・第一部会 新薬5成分を審議、全て承認了承 塩野義の小児AD/HD薬など

公開日時 2017/03/03 03:52

薬食審医薬品第一部会は3月2日、新薬5成分の承認の可否について審議し、全ての承認を了承した。新有効成分含有医薬品としては、塩野義製薬が申請した小児期の注意欠陥/多動性障害(AD/HD)に用いるインチュニブ錠(一般名:グアンファシン塩酸塩)などがある。

【審議品目】(カッコ内は一般名と申請企業名)

インチュニブ錠1mg、同3mg(グアンファシン塩酸塩、塩野義製薬):「小児期における注意欠陥/多動性障害(AD/HD)」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。

シナプスに存在する受容体を介してノルアドレナリン作動性神経を活性化することで症状を改善する非中枢神経刺激薬。体重50kg未満の小児は1日1mg、50kg以上では1日2mgから投与を開始し、1週間以上の間隔をあけて1mgずつ、体重で規定された維持用量まで増量する。症状により適宜増減する。いずれも1日1回経口投与で使用する。

既承認薬には中枢刺激薬のコンサータ、非中枢刺激薬のストラテラがあり、いずれも第一選択薬に位置づけられているが、厚労省の担当官によると、インチュニブもこれら既承認薬と同様に第一選択薬に位置づけられると想定されるとしている。海外では欧米など33の国で承認済(16年11月現在)。

ナルラピド錠1mg、同錠2mg、同錠4mg/ナルサス錠2mg、同錠6mg、同錠12mg、同錠24mg(一般名:ヒドロモルフォン塩酸塩、第一三共プロファーマ):「中等度から高度の疼痛を伴う各種がんにおける鎮痛」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。

「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」で開発の必要性が高いと判断された薬剤。がん患者のうちがん性疼痛のある患者の割合は慢性期で30~50%、進行期で70%以上と推定されている。がん疼痛に対する薬物療法の基本とされるWHO方式がん性疼痛治療法を用いても10~30%の患者で疼痛が消失しないという。

両剤ともμオピオイド受容体作動薬。ナルラピド錠は即放性製剤、ナルサス錠は徐放性製剤。これらヒドロモルフォン製剤は海外で80年以上販売され、WHOのがん疼痛治療のためのガイドラインなどで疼痛管理の標準薬に位置付けられているが、日本では承認されていなかった。

ナルラピド錠の類薬にはオキノーム散などが、ナルサス錠にはオキシコンチン錠などがあるが、ナルラピド錠、ナルサス錠とも、がん性疼痛治療における新たな治療選択肢を提供することになる。海外では米英など45の国・地域で承認済(16年3月現在)。

シンポニー皮下注50mgシリンジ、同皮下注100mgシリンジ(一般名:ゴリムマブ(遺伝子組換え)、ヤンセンファーマ):「中等症から重症の潰瘍性大腸炎の改善及び維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)」の効能・効果を追加する新効能・新用量医薬品。100mg製剤は剤形追加となる。再審査期間4年。

ヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体製剤。潰瘍性大腸炎に対する用法・用量は通常、成人に、初回投与時に200mg、初回投与2週間後に100mgを皮下注射する。そして、初回投与6週目以降は100mgを4週に1回、皮下注射で用いる、というもの。既存の50mg製剤では利便性が悪いため、新規格として100mg製剤を加える。なお、100mg製剤は承認されれば、50mg製剤の適応の関節リウマチにも使える。海外では、潰瘍性大腸炎の適応として、欧米など70カ国以上で承認済(16年12月現在)。

ノベルジンカプセル25mg、同カプセル50mg、同錠25mg、同錠50mg(酢酸亜鉛水和物、ノーベルファーマ):「低亜鉛血症」を効能・効果に追加する新効能・新用量医薬品。再審査期間5年10カ月。

低亜鉛血症の適応を持つ既存薬は日本にはない。海外では亜鉛補充を目的として、亜鉛製剤が欧州19の国・地域、米国で販売されている。

コムクロシャンプー0.05%(クロベタゾールプロピオン酸エステル、マルホ):「頭部の尋常性乾癬」を効能・効果とする新剤形医薬品。再審査期間4年。

有効成分はストロンゲストクラスのステロイド剤。同成分で既に他社からローション剤などの他の剤形の製品があるが、同剤はシャンプーのように用いることができることから、コンプライアンス向上などを期待して開発された。1日1回、乾燥した頭部に患部を中心に適量を塗布し、約15分後に水またはお湯で泡立てて洗い流す。海外では62の国・地域で承認済(2016年11月現在)。

【報告品目】(カッコ内は一般名と申請企業名)
報告品目は、PMDAの審査段階で承認が了承され、部会での審議が必要ないと判断されたもの。

オプチレイ350注20mL、同注50mL、同注100mL、同注シリンジ100mL、同注シリンジ135mL(イオベルソール、富士製薬):「腹部のコンピューター断層撮影における造影」を効能・効果に追加する新効能・新用量医薬品・剤形追加に係る医薬品。同注シリンジ135mLは新規格となる。

適応追加の公知申請了承

部会では、厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」で追加適応症について公知始申請が妥当と判断された2製品について、公知申請することを了承した。特例により保険適用となった。

リツキサン注10mg/mL(一般名:リツキシマブ(遺伝子組換え)、全薬工業):予定適応「慢性特発性血小板減少性紫斑病」

公知申請扱いになったことで、全薬工業は希少疾病用医薬品の指定取り消しを申請した。

オビオート注射用0.1g(一般名:アセチルコリン塩化物、第一三共):予定適応「冠動脈造影検査時の冠攣縮薬物誘発試験における冠攣縮の誘発」

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