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アレクシオンのATTR-CM治療薬・ビヨントラ錠など新薬4製品を審議へ 3月6日の第一部会で

公開日時 2025/02/21 04:48
厚生労働省は3月6日に薬事審議会・医薬品第一部会を開き、アレクシオンファーマのトランスサイレチン型心アミロイドーシス(ATTR-CM)治療薬・ビヨントラ錠(一般名:アコラミジス塩酸塩)など新薬4製品の承認の可否を審議する。

この中には、ブリストル・マイヤーズ スクイブの閉塞性肥大型心筋症(HCM)治療薬・カムザイオスカプセル(マバカムテン)や、武田薬品のアラジール症候群(ALGS)等の治療薬・リブマーリ内用液(マラリキシバット塩化物)が含まれる。承認されると、HCM、ALGSの治療薬はそれぞれ国内初となる。

報告品目は5製品。この中に東和薬品の週2回の貼付で済むアルツハイマー病治療薬・リバルエンLAパッチ(リバスチグミン)などがある。

【審議予定品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)

ビヨントラ錠400mg(アコラミジス塩酸塩、アレクシオンファーマ):「トランスサイレチン型心アミロイドーシス(野生型及び変異型)」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。

トランスサイレチン(TTR)安定化薬。トランスサイレチン型心アミロイドーシス(ATTR-CM)は、TTR由来のアミロイドの組織沈着を病因とするアミロイドーシスの一種であり、主に心筋にアミロイドが沈着して機能障害を生じる疾患。予後は総じて不良であり、多くの患者は心突然死、うっ血性心不全、心筋梗塞等により死亡に至る。

国内で承認を取得しているATTR-CM治療薬には、ビンダケルカプセル/ビンマックカプセル(タファミジス)がある。海外でビヨントラは、米国で24年11月に「Attruby」、欧州で25年2月に「Beyonttra」の商品名で承認されている。

カムザイオスカプセル5mg、同カプセル2.5mg、同カプセル1mg(マバカムテン、ブリストル・マイヤーズスクイブ):「閉塞性肥大型心筋症」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。

心筋ミオシン阻害剤。肥大型心筋症(HCM)は、高血圧等の心疾患や全身性疾患などの原因がないにもかかわらず、心室(左室)肥大をきたす慢性の進行性疾患であり、左室流出路の閉塞有無により閉塞性HCMと非閉塞性HCMに大別される。

国内では、現在、HCMの適応を持つ治療薬はない。海外でカムザイオスは、22年4月に米国、23年6月に欧州で承認されている。

▽①トレムフィア点滴静注200mg、②同皮下注200mgシリンジ、③同皮下注200mgペン、④同皮下注100mgシリンジ(グセルクマブ(遺伝子組換え)、ヤンセンファーマ):「①中等症から重症の潰瘍性大腸炎の寛解導入療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)、②③④中等症から重症の潰瘍性大腸炎の維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)」を対象疾患とする①新投与経路医薬品、②③新効能・新用量・剤形追加に係る医薬品、④新効能・新用量医薬品――。

抗IL-23p19抗体。既存のトレムフィア皮下注100mgシリンジは、18年3月に「尋常性乾癬、乾癬性関節炎、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症」、同年11月に「掌蹠膿疱症」の適応で承認されている。

今回、潰瘍性大腸炎の適応が追加される。点滴静注200mgは新投与経路、皮下注200mgシリンジおよび200mgペンは新剤形となる。なお、トレムフィアは、24年8月にクローン病の適応でも承認申請されている。

リブマーリ内用液10mg/mL(マラリキシバット塩化物、武田薬品):「アラジール症候群及び進行性家族性肝内胆汁うっ滞症における胆汁うっ滞に伴うそう痒」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。

胆汁酸の再吸収を抑制する回腸胆汁酸トランスポーター(IBAT)阻害薬。武田薬品は21年9月に米Mirum社から導入した。

アラジール症候群(ALGS)は、小葉間胆管減少症を伴うまれな遺伝性疾患であり、胆汁うっ滞により、最終的には進行性の肝機能障害を引き起こす。国内患者数は200~300人程度と推測されている。

一方、進行性家族性肝内胆汁うっ滞症(PFIC)は、肝細胞の胆汁を分泌する能力が低下し、肝細胞内に胆汁の蓄積が起こることにより、進行性の肝疾患に至るまれな遺伝性疾患。国内では、小児慢性特定疾病の対象疾患となっているが、小児慢性特定疾患治療研究事業への新規登録症例数は年間2~8例程度のみとなっている。

国内でALGSに関連する効能・効果を有する治療薬はない。海外でリブマーリは欧米等で承認されている。

【報告予定品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)
報告品目は医薬品医療機器総合機構(PMDA)の審査段階で承認して差し支えないとされ、部会では審議せず、報告のみでよいと判断されたもの。

カーボスター透析剤2号・L、同透析剤2号・P(医療用配合剤のため該当しない、陽進堂):「慢性腎不全における透析型人工腎臓の灌流液として、以下の要因を持つものに用いる。・無糖の透析液では、血糖値管理の困難な場合。・カルシウム濃度の高い透析液では、高カルシウム血症を起こすおそれのある場合」を対象疾患とする類似処方医療用配合剤。

ベピオウォッシュゲル5%(過酸化ベンゾイル、マルホ):「尋常性ざ瘡」を対象疾患とする新用量・剤形追加に係る医薬品。

現在、ベピオゲル2.5%/ベピオローション2.5%があり、今回5%が追加となる。効能は既存の2.5%と同じ。

リツキサン点滴静注100mg、同点滴静注500mg(リツキシマブ(遺伝子組換え)、全薬工業):「ネフローゼ症候群(頻回再発型あるいはステロイド依存性)」を対象疾患とする新効能・新用量医薬品。

現在、「難治性のネフローゼ症候群(頻回再発型、ステロイド依存性あるいはステロイド抵抗性を示す場合)」の適応を持っている。今回、難治性ではないネフローゼ症候群(頻回再発型あるいはステロイド依存性)の追加となる。

リバルエンLAパッチ25.92mg、同LAパッチ51.84mg(リバスチグミン、東和薬品):「軽度及び中等度のアルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制」を対象疾患とする新剤形医薬品。

持続放出性リバスチグミン経皮吸収型製剤。東和薬品は20年12月にスイスのLuye Pharma社から導入した。既存のリバスチグミン製剤は1日1回の貼付が必要であり、今回、週2回の貼付とすることで、患者・家族、介護者の精神的・身体的負担軽減が期待されている。

▽①オンボー点滴静注300mg、②同皮下注100mgオートインジェクター、③同皮下注100mgシリンジ、④同皮下注200mgオートインジェクター、⑤同皮下注200mgシリンジ(ミリキズマブ(遺伝子組換え)、日本イーライリリー):「中等症から重症の活動期クローン病の治療(既存治療で効果不十分な場合に限る)」を対象疾患とする①新効能・新用量医薬品、②③新効能・新用量・その他の医薬品、④⑤新効能・新用量・剤形追加に係る医薬品――。

抗IL-23p19抗体。既存のオンボー点滴静注300mgと同皮下注100mgオートインジェクター/同皮下注100mgシリンジは、潰瘍性大腸炎の適応で承認されている。今回、クローン病の適応が追加される。皮下注200mgオートインジェクターと皮下注200mgシリンジは新剤形となる。
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