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札幌医大・仲瀬教授 潰瘍性大腸炎治療薬・ゼポジア「幅広い患者に使える可能性ある」 BMSセミナー

公開日時 2025/02/26 04:50
札幌医科大学医学部消化器内科学講座の仲瀬裕志教授は2月25日、ブリストル・マイヤーズスクイブ主催のメディアセミナーで講演し、潰瘍性大腸炎治療薬・ゼポジア(一般名:オザニモド塩酸塩)について、「臨床試験では幅広い患者さんが登録され、効果がうまく評価できている。アドバンスドセラピーの治療の有無にかかわらず、幅広い患者さんにこの薬が使える可能性がある」と期待感を示した。また、注意点として臨床試験では作用機序の裏返しとしてリンパ球の絶対数が落ちる傾向が見られたとして、「今後使っていく上では、白血球、特にリンパ球の絶対数はフォローしていく必要がある」と強調した。

仲瀬教授は講演で、潰瘍性大腸炎について「極めて難しい疾患」とし、「内視鏡を診て同じような所見でも、病態のバックグラウンドは様々。だからこそたくさんの治療法が出てきている」と説明。その上で、新規作用機序を有するゼポジアについて「これから日本の日常臨床で使い始めることで、どういった患者さんにいいのかというポジショニングを打ち立てていく必要がある。今回の臨床試験のデータをベースに、さらにリアルデータを蓄積して考えていきたい」と述べた。

◎効能・効果は「既存治療で効果不十分な中等症から重症の潰瘍性大腸炎」 1日1回経口投与

ゼポジアは「既存治療で効果不十分な中等症から重症の潰瘍性大腸炎」を効能・効果として、2024年12月に製造販売承認を取得した。経口のスフィンゴシン1-リン酸(S1P)受容体調節剤で、S1P受容体1および5に高い親和性で結合し、リンパ球遊走の上流で作用する、潰瘍性大腸炎に対する新規作用機序を有する。リンパ球を末梢リンパ組織内に保持することで、リンパ球の体内循環を制御し、病巣へのリンパ球の浸潤を阻害する。用法・用量は、「通常、成人にはオザニモドとして1~4日目は0.23mg、5~7日目は0.46mg、8日目以降は0.92mgを1日1回経口投与する」となっている。

承認の根拠となった国内第2/3相臨床試験(J-True North試験)は、経口5-アミノサリチル酸製剤またはステロイドの投与歴がある中等症から重症の活動性潰瘍性大腸炎患者198 例(オザニモド0.46mg群68例、同0.92mg群65例、プラセボ群65例)を対象としたプラセボ対象二重盲検比較試験。主要評価項目である投与12週時点の完全Mayoスコアに基づく臨床的改善率は、オザニモド0.92mg群が61.5%(40/65例)で、プラセボ群の32.3%(21/65例)に比べて統計的に有意に高くなった(層別CHM検定、p=0.0006)。副次評価項目である臨床的寛解率、内視鏡的改善率、粘膜治癒率でもオザニモド0.92mg群がプラセボ群に比べて有意に高かった。投与52週時点の完全Mayoスコアに基づく臨床的改善率(副次評価項目)は、オザニモド0.92mg群が49.2%(32/65例)、プラセボ群が16.9%(11/65例)だった(層別化CHM検定、p=0.0001(名目上のp値))。

安全性については、投与12週までの副作用発現頻度がオザニモド0.92mg群で23.1%(15/65例)、0.46mg群で14.7%(10/68例)、プラセボ群で13.8%(9/65例)だった。主な副作用は、0.92mg群で肝機能異常、ALT増加、AST増加が各3.1%(2/65例)、0.46mg群で肝機能検査値上昇が2.9%(2/68例)、プラセボ群で頭痛が3.1%(2/65例)が報告された。重篤な副作用は0.46mg群で潰瘍性大腸炎(病態悪化)が1例、プラセボ群で間質性肺疾患が1例認められた。
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