中外製薬 抗TL1A抗体治療薬RG6631をロシュから導入 潰瘍性大腸炎とクローン病の開発・販売権取得
公開日時 2024/08/09 04:47
中外製薬は8月7日、抗TL1A抗体治療薬RG6631をスイス・ロシュから導入する契約を締結したと発表した。同剤は、潰瘍性大腸炎およびクローン病を対象に開発を進めているもので、今回の契約により日本での独占的開発権と販売権を取得した。中外製薬は対価として契約一時金とマイルストンをロシュに支払う。
RG6631はTL1A を標的として炎症と線維化を同時に抑制することで潰瘍性大腸炎およびクローン病への効果を発揮する薬剤。特に、TL1A阻害という新規作用機序を有しており、この領域でファーストインクラスの可能性もある。このため、他の複数の疾患への応用にも期待がかかる。
中等度から重度の潰瘍性大腸炎の患者を対象としたグローバル第2b相試験(TUSCANY-2)では、RG6631 による治療により導入期と維持期で臨床的寛解など複数の評価項目の改善が確認された。ロシュは24年中の第3相試験の開始を予定している。中等度から重度のクローン病に対しては第2相試験が進行している。
中外製薬の奥田修代表取締役社長CEOは、「潰瘍性大腸炎およびクローン病は寛解を維持する治療法が十分に確立されておらず、依然として高いアンメットメディカルニーズが存在している。RG6631 を患者さんに早期にお届けするため、ロシュ社と緊密に連携していきたい」とコメントした。