MRの業務目標達成に向けた活動プロセスを分析 9割「Web講演会」視聴後フォローを徹底 ミクス調査
公開日時 2025/03/03 04:52
ミクス編集部は、現役MRの協力を得て、自身の業務目標の達成に向けて日々心掛けている活動や行動を分析した。24年4月実施の医師の働き方改革で「リアル面談が減った」と感じているMRが5割に及んだ。一方で、“会えない医師”への有益なコンタクとツールの第1位は企業主催Web講演会。MRの9割が講演会視聴後の医師が抱く疑問や課題に対し、「1週間以内」(“3日以内”、“24時間以内”の回答含む)にフォローアップしていることが分かった。フォローアップの手段は、8割のMRが「リアル面談」を選択。一方で、4割強のMRが医師の事情に応じて「オンライン面談」を選択肢の一つとして活用している状況も垣間見えた。
◎大学病院担当MRの49.1%、大病院担当MRの50.0%「リアル面談が減った」 医師の働き方改革以降
MR活動に影響を与える事象に「医師の働き方改革」がある。Monthlyミクス2月号に医師850人の調査結果を掲載し、「医師の約3割」がMRとリアル面談が減少したと本誌は報じた。この結果を現役MRはどのように受け止め、実際の活動にどう活かしているのだろうか。現役MRに医師の働き方改革以降の自信の活動の変化を聞いたところ、大学病院担当MRの49.1%、大病院担当MRの50.0%が「リアル面談が減った」と回答。大病院担当MRの55.6%が「面談時間が変わった」と答えた。
◎医師との面談機会が減る中で、医師へのアプローチに工夫が求められるMR
医師との面談機会が減る中で、MRは医師へのアプローチに工夫が求められる。医師とのコンタクトルールとして有益と考えるデジタルコンテンツについてMRに聞いた。その結果、90.3%のMRが、「企業主催のWeb講演会」をあげた。次いで、「自社サイト」が31.1%、「学会ホームページ」が28.2%、「医師会員向けサイト」が18.4%の順となっている。
次に、コンテンツ視聴後の医師へのフォローアップまでの期間を聞いた(※以下の関連ファイルを参照)。「1週間以内フォロー」と回答したMRは63.1%で、前年調査比8ポイント(24年度結果:55.1%)上昇した。「3日以内にフォロー」との回答は24.3%で、18.2ポイント(24年度結果:13.2% ※2日以内フォローを含む合計)上昇。「24時間以内にフォロー」との回答は6.8%で、こちらは前回調査に比べて6.5ポイント(24年度結果:13.3%)減少していた。ただ、今回の調査結果を見る限り、MR自身が医師へのフォロー活動をより重視する方向に舵を切っていることが見てとれる。なお、「24時間以内」、「3日以内」を含む1週間以内に医師へのフォローアップを完了させると回答したMRが94.2%に及ぶことも明らかとなった。
◎医師へのフォローアップ「リアル面談」が5割弱
今回の調査結果に対し、ミクス編集部はMRによる医師へのフォローアップの手法に着目した。調査の結果、44.7%のMRが「リアル面談」と回答、次いで37.9%が「リアル+オンライン面談」と答えた。この結果から、MRは総じてリアル面談を軸に医師とのコミュニケーションを図ろうとする傾向の強さが感じられた。一方で、MRがアプローチする医師側のニーズや嗜好もあり、必要に応じて「オンライン面談」という選択肢を活用している実態も見える。その点でみると、57.3%のMRが業務目標達成のための「お役立ちツール」にオンライン面談ツール(ZOOMやTeams等)を掲げていることも頷ける。
◎1回あたりの面談の「最適化」「最大化」がオムニチャネルを活かす次なる課題に
逆に気になったのは、本社学術担当者が同席する医師とのオンライン面談を選択したMRが12.6%、上長同席によるオンライン面談を選択したMRは11.7%に止まっていたことだ。今回の調査結果から、「MRの身近に起きた変化」の筆頭に、「自社MRが減った」と回答したMRが60.2%を占めた。MRにとって、担当するカバーエリアや施設数が拡大し、逆に面談機会が増えない中で、1回あたりの面談機会の「最適化」、「最大化」は業務目標を達成する上で最も重要なミッションとなる。担当施設や担当医師への効率的なアプローチの手法として、本社スタッフ(製品学術担当やオンライン専任MR)を交えたオンラインでのグループ面談を最適化する組織体制やMR側の「目利き力」の更なる向上が求められている。ミクス編集部も面談の成果を最大化するために何らかの提案が求められるものと感じた。(ミクス編集長 沼田佳之)