住友化学・岩田社長 注力4セグメントに住友ファーマ含めず 低分子創薬とのシナジー「見つけにくい」
公開日時 2024/10/31 04:50
住友化学の岩田圭一代表取締役社長は10月30日の2024年度上期決算及び経営戦略説明会で、10月1日付の組織再編で、同社グループが今後注力する4セグメントに住友ファーマを含めなかったことを報告した。住友ファーマは「その他」に入った。岩田社長は、「住友化学には残念ながら低分子医薬品を創ったり、製品導入の目利き力はない」とし、「低分子医薬品の創薬は、当社とのシナジーが見つけにくい分野」のため、住友ファーマを注力セグメントから外したと説明した。
◎住友ファーマの再成長へ「あらゆる選択肢を排除しない」
住友ファーマの今後については、「持続的な、サスティナブルな成長をどのように実現するか」との観点での議論が重要だと指摘。4月30日の経営戦略説明会での自身の発言と同じく、「住友ファーマの将来にとってどういう形が一番望ましいかというところで、再成長へのあらゆる選択肢を排除しないで引き続き様々な検討を進めていく」と述べた。
岩田社長は4月30日の説明会で、住友ファーマのスリム化と同時並行で、持続的な成長を実現するための最適なパートナーも検討する意向を示し、結果として持分比率の縮小や連結除外も「十分あり得る」と話していた。
なお、住友化学が注力する4セグメントのひとつに「アドバンストメディカルソリューション」があり、このセグメントに再生・細胞医薬事業やCDMO事業が含まれる。再生・細胞医薬事業の日米での展開加速のため、24年度中に住友化学と住友ファーマによる新会社を設立させる計画で、岩田社長はこれまでに、「再生・細胞医薬のCDMO事業を含め、当社主導で再生・細胞医薬事業を加速させる」との考えを示している。