ラツーダクリフに沈む 住友ファーマ
海外企業との戦略的提携から見えた課題
公開日時 2024/07/01 00:00
勝負の1年米国市場のグリップ強化で再浮上なるか住友ファーマが未曽有の危機に立たされている。北米でピーク時売上が2000億円強あった抗精神病薬・ラツーダが2023年2月に特許切れし、23年度に約1900億円が消失した。10年以上前からポスト・ラツーダとなる次期主力品候補を自社開発し、又は企業買収などで獲得してきたが、残念ながら開発失敗の連続だった。短中期の収益貢献を期待した導入品も成果が上がらなかった。結果、ラツーダクリフに沈み、開発品や導入品の減損損失も重なり、23年度に1330億円のコア営業損失、3150億円の純損失を計上した。企業買収や導入の目利き力が指摘される中、取材を進めると、クリフ対策の要となった米国の“上場子会社”を住友ファーマでハンドリングできなかった課...