住友ファーマは２月28日、完全子会社のスミトモファーマUKホールディングス（以下、SMPUK社）の子会社であるスミトモファーマ・アメリカ（SMPA社、米国マサチューセッツ州）の株式を現物分配により取得し、SMPA社を住友ファーマの子会社にする資本再編を行うと発表した。SMPA社が販売するオルゴビクス、マイフェンブリー、ジェムテサの北米基幹３製品の売上収益が住友ファーマの経営再建のカギを握っている。住友ファーマは今回の資本再編により、北米事業の運営に従来より直接的に関与する体制を構築し、基幹３製品のグリップをより強化する。

今回の資本再編では、SMPUK社の孫会社であるスミトモファーマ・スイッツァランド（SMPS社、スイスバーゼル）も、同様の手法で、住友ファーマの子会社にする。SMPA社及びSMPS社の子会社化は３月下旬を予定。住友ファーマ広報部は、「当社直接の子会社とすることで、グループ全体としての意思決定や事業運営がより一体化できると考えている」とコメントしている。

住友ファーマは、23年２月の米国での“ラツーダクリフ”により、23年度に1330億円のコア営業損失、3150億円の純損失を計上する未曾有の経営危機に陥った。そして24年度に経営陣を一新。24年度の必達目標はコア営業利益の黒字化で、25年度に最終利益の黒字化を目指すことにした。北米事業は想定以上に好調に推移し、25年１月31日に、オルゴビクスの伸長や、人員削減/組織再編及び研究開発の絞り込みといったコストマネジメントの強化などの寄与により、24年度はコア営業利益の黒字化だけでなく、最終利益の黒字化も１年前倒しで達成できる見通しだと発表している。