自民・GE議連が提言申入れ 安定供給へ人材育成など「総合的な政策を」 中間年改定は「あり方検討を」
公開日時 2024/05/29 04:48
自民党のジェネリック医薬品の将来を考える会(上川陽子会長)は5月28日、武見敬三厚労相に提言を申し入れた。提言では、医療保険制度の中で重要な役割を果たしている一方で、不祥事が相次ぐジェネリック医薬品産業の置かれている状況を「過渡期」として、「育て直す」必要性を指摘。安定供給を可能とする産業構造実現に向け、総合的な政策の重要性を強調した。要望の柱の一つとして、「クオリティ・カルチャーをベースとした人材育成」の重要性も強調。これにより、「我が国の医薬品の製造技術力の再生と新生につながっていくはず」などとしている。中間年改定のあり方についても検討を要請した。武見厚労相は、「見直しを含めて検討する」と応じたという。
提言では、後発品を中心とした供給不安については、「薬価上の対応だけでは解決しない」と指摘。「ジェネリック医薬品産業のビジネスモデル上の課題や薬価・流通における課題、サプライチェーン上の課題などが複合的に絡み合って引き起こされているものであり、総合的な解決策を模索していく必要がある」と強調した。
◎「連携・協業」取り組む企業を後押し、評価も検討を 産業競争力強化法の活用も
安定供給能力の確保に向けては、「増産体制を強化するだけでは、今後の持続的な安定供給の確保には結びつかない」と指摘。「余剰製造能力を確保したうえでレジリエンスを持った体制の構築を進めるべき」とした。「この取組みは、必ずしも各社の取組みに限定したものではない」として、「グループ会社ないしは別の企業との連携・協業等も視野に入れ、先の余剰製造能力の確保を見据えたレジリエンスを持った取組みを実現できるよう、果敢に取り組む企業に対する後押しや評価も検討すべき」と提言した。人材育成を行う企業へのインセンティブとルール化をベストミックスする必要性を指摘。中堅企業の事業再編の円滑化を図ることが盛り込まれている産業競争力強化法を有効活用することも盛り込んだ。
◎中間年改定 経済状況含め、制度導入当時と状況が変化
中間年改定をめぐっては、物価高騰や新型コロナの流行など、経済状況を含め、制度導入当時と大きく状況が異なっていることから、改めて見直しを求めた。提言では、2016年末の4大臣合意で中間年改定の対象が「価格乖離の大きな品目」とされたことを引き合いに、「趣旨に立ち返り、新たな供給不安を生じさせない中間年改定の在り方について検討を行うべき」としている。
なお、議連は同日、鈴木俊一財務相にも提言を申し入れた。