【MixOnline】パンくずリスト
【MixOnline】記事詳細

自民党・創薬力強化PT グローバルな創薬エコシステム構築へ議論 ステージに応じた支援のあり方検討を

公開日時 2025/02/18 04:49
自民党社会保障制度調査会「創薬力の強化育成に関するプロジェクトチーム(大野敬太郎座長)」は2月17日、グローバルな創薬エコシステム構築に向けて議論を開始し、アイパークインスティチュートなどからヒアリングを行った。田村憲久社会保障制度調査会長は会議冒頭で、シーズの実用化に向け、「アーリー、ミドル、レイトステージ、それぞれどのような形で支援をしていけばいいのか」と指摘し、ステージに応じた支援のあり方を検討する必要性を指摘した。「この分野は、本来花形であるはず。本来は労働生産性が非常に高い産業になり得ると思っているが、なかなか日本ではそこが育っていかない。世界でも存在力のある日本にしていくために頑張ってまいりたい」と意気込んだ。

◎アイパーク・藤本社長 「早期から企業目線でのインキュベーション機能重要」 シコニアの挑戦も

ヒアリングを受けた、アイパークインスティチュートの藤本利夫代表取締役社長は、創薬エコシステム構築に向けて、「グローバル製品を開発することのできる質の高い早期スタートアップを数多く創出し、その成長を加速することが必要」と指摘した。

スタートアップが多く活躍する米国ではアーリーステージから投資規模が大きく、ステージに応じたインキュベーション機能とラボを提供しており、日本と状況が異なると説明。日本ではアカデミア発のスタートアップが増加しているものの、企業連携や民間の資金獲得に至らず、早期の開発スピードが遅いことや、レイトステージでもグローバル企業との提携や海外投資家から資金を獲得できるスタートアップは限定的であるなどの課題を抱えているとした。

藤本社長は、こうした日本の状況を克服するために、「早期から企業目線での(ノウハウや資金提供などを行う)インキュベーション機能が重要」と指摘。そのうえで、武田薬品とアステラス製薬、三井住友銀行が共同出資して設立したシコニア・バイオベンチャーズがアイパークと連携し、シーズ探索、インキュベーションに取り組む挑戦を開始したことも報告した。

鈴木英敬事務局長によると、出席議員からは、「創薬エコシステムを構築していくためには、グローバルのエコシステムとつながっていくことが大事だ。日本の規制だけでなく、米FDAなど規制当局とつながっていくことも必要だ」、「薬価も含めて平時のエコシステムをどう形成していくか。これまでの取り組みを検証しながら議論していくべきではないか」などの意見が上がったという。

◎大野PT座長 エコシステム構築へ「安全保障の考え方もど真ん中に」

同日は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構先進的研究開発戦略センター(SCARDA)の濵口道成センター長からもヒアリングを行った。

会議冒頭で、大野PT座長は、感染症治療薬やワクチンの開発について、「産業に乗らない部分が必ず出てくる。ここも含めて、国としてあり方を議論していかないといけない。エコシステムの中にも、安全保障の考え方はど真ん中に入れていかないといけない」との考えを示した。「国としてのガバナンス論が最も重要だ」と強調。司令塔機能のあり方やエコシステムの好循環が回る体制を構築する必要性を強調した。

濱口センター長は、「“Disease X(現時点では人間に疾病を引き起こすことが知られていない病原体によって引き起こされる、重大な国際的感染症)”は必ず訪れる」と指摘。「ワクチン以外も含めたMCM全体(予防・診断・治療)の対応戦略」が必要との考えを示した。

鈴木事務局長によると、出席議員からは、「MCMとしては、ワクチンだけでなく、検査薬や治療薬も含めた全体を考える必要がある」、「ワクチンを恒常的に作る人が利益を得ることができるよう、戦略を組まないといけない」などの意見があったという。
プリントCSS用

 

【MixOnline】コンテンツ注意書き
【MixOnline】関連ファイル
【MixOnline】記事評価

この記事はいかがでしたか?

読者レビュー(2)

1 2 3 4 5
悪い 良い
プリント用ロゴ
【MixOnline】誘導記事
【MixOnline】関連(推奨)記事
【MixOnline】関連(推奨)記事
ボタン追加
【MixOnline】記事ログ
バナー

広告

バナー(バーター枠)

広告

【MixOnline】アクセスランキングバナー
【MixOnline】ダウンロードランキングバナー
記事評価ランキングバナー