製薬業界に課せられた「十字架」の重み
2023年度薬価改定 最後の1週間ドキュメント
公開日時 2023/01/01 00:00
政治決着への着地点改定財源をいかに製薬業界に“戻すか”「新薬創出等加算で十分に機能しているだとか、そういう認識を持っておられる方々がおられるということに、それはもう我々は驚愕だ」――。自民党の田村憲久・社会保障制度調査会医療委員会委員長(元厚労相)は語気を強めた。党医療委員会が開かれた12月12日は2023年度薬価改定の議論が大詰めを迎えていた。すでに後発品の安定供給の観点から不採算品への対応は党内でも外堀を埋めてきたが、この日の田村委員長はあえて新薬の「イノベーション評価」に焦点を当て、一気に空気を変えた。決着までの1週間、政治が23年度改定を動かした。(望月英梨)23年度薬価改定の対象範囲は、「国民負担軽減の観点から、平均乖離率7.0%の0.625倍(乖離率4.3...