テバ 「日本のジェネリック事業の譲渡を検討」25年中の売却見込む フランシスCEOが決算会見で表明
公開日時 2024/05/14 04:52
テバファーマスーティカル・インダストリーズ・リミテッドのリチャード・フランシスCEOは5月8日(現地時間)に開催した2024年第1四半期の業績説明会で、日本のジェネリック医薬品事業について譲渡を検討していることを明らかにした。2025年中の日本のジェネリック事業の売却を見込む。フランシスCEOは日本からの撤退は否定。同社は日本で新薬も展開しており、日本でも利益を踏まえた重点的な資本配分に踏み切る考えを示した。武田テバ広報部は、本誌取材に対し、詳細は現段階で不明としたうえで、医薬品の供給を含め、「現時点で武田テバの事業運営・日常業務に変更はない」としている。
◎「国際市場セグメントの一部である日本でのジェネリック事業を売却することを決定した」
「テバの成長戦略の一環として、当社はテバの国際市場セグメントの一部である日本でのジェネリック事業を売却することを決定した。2024年第1四半期に最終的に約6億ドルの減損費用が発生する。現在のところ、事業は来年中(2025年中)に売却される予定だ」-。同社のEli Kalif CFOは、8日の業績説明会でこう強調した。
ジェネリックビジネスを成長軌道に戻すことを掲げ、抜本的な成長戦略を掲げるテバ。日本を除く多くの市場でジェネリックのマーケットで、ジェネリックビジネスが成長する中で、日本市場では長期収載品と後発品の競争が激しく、毎年薬価改定の導入などによる薬価引下げが影響。ジェネリックビジネスでは、他のマーケットで得られた利益を相殺する結果になったと指摘した。
◎フランシスCEO 「利益を生み出すビジネスに重点配分」 日本からの撤退は否定
フランシスCEOは8日の決算会見で、日本からの撤退は否定。「当社は、日本のジェネリック医薬品事業を売却する。もう一度資本配分に立ち戻り、利益を生み出すビジネスに重点的に資本配分する必要がある。そして、展開する地域やビジネスの範囲で思慮深く考えることができる。それが日本でも起こるということだ」と述べた。
◎武田テバ「検討の初期段階で確定していることがない」 現時点での事業運営、日常業務は変更なし
武田テバ広報部は本誌取材に対し、「2024年第1四半期の業績説明会(2024年5月8日開催)の中で、テバファーマスーティカル・インダストリーズ・リミテッド(以下、テバ社)のCEOおよびCFOが、日本のジェネリック医薬品事業について譲渡を検討していると言及している。テバ社が検討を行っており、詳細は当社ではわからない。現在は検討の初期段階ということであり、確定していることがなく、武田テバファーマ・武田テバ薬品からお伝えできることがない。ご理解賜りますようお願いいたします」とコメント。「現時点で武田テバの事業運営・日常業務に変更はない。当社は引き続き、患者さんを中心に考え、確かな品質の医薬品をお届けすることに尽力いたします」とのステートメントを本誌に出した。
なお、武田テバはテバと武田薬品が16年4月1日に設立した合弁会社。テバが51%、武田薬品が49%出資している。