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持田製薬 24年3月期決算 レクサプロの後発品浸透で減収・2ケタ減益 円安による原価高騰の影響も

公開日時 2024/05/14 04:47
持田製薬の2024年3月期決算は、売上高が前年同期比0.4%減の1028億8500万円、営業利益は31.8%減の58億200万円の減収減益となった。三石基取締役常務執行役員は5月13日の電話会見で、抗うつ薬・レクサプロの後発品が22年12月に市場参入したことを捉え、「置き換えが非常に速かった」と業績面への影響が大きかったことを説明した。収益面では新製品の上市や主力品の伸長もあったが、減収の穴埋めには至らなかったと指摘。また、円安による原薬・製剤の輸入価格高騰や、新製品発売に伴う販管費の増加なども重なり、2ケタ減益になったと報告した。

◎レクサプロ 58億円減の52億円 23年6月発売のオンボー「弾みに期待」

主要製品の品目別では、レクサプロが前年同期比58億円減の52億円と大幅減。潰瘍性大腸炎治療薬・リアルダや慢性便秘症治療薬のグーフィスとモビコール、痛風・高尿酸血症治療剤・ユリスがいずれも伸長したが、レクサプロの減収を補いきれなかった。23年6月に販売開始した潰瘍性大腸炎治療薬・オンボー(製造販売元:日本イーライリリー)の売上高は14億円(薬価ベース)。「正直なところ、もう少し伸びてくれると思っていた」としつつ「強みを知っていただく情報提供活動に時間をかけた。6月から投薬制限も解除され、弾みがついていくと期待している」と説明した。

◎不眠症治療薬「12月末までの発売目指す」 バイオマテリアル事業2製品も上市へ

開発パイプラインの状況については、ネクセラファーマ(旧イドルシア)と共同開発した不眠症治療薬・ダリドレキサント塩酸塩(一般名、開発コードACT-541468)を23年10月に承認申請しており、「24年12月末までの発売を目指したい」と説明。バイオマテリアル事業では、申請中の軟骨修復材「dMD-001」と、米国で申請中の神経再生誘導材「Nerve Cuff」について、日米で24年度中の上市を目指すとした。

◎24年度は増収増益予想 10月からの選定療養制度も「準備して臨む」

24年度予想では売上高1060億円(前年同期比3.0%増)、営業利益75億円(29.3%増)と増収増益を見込む。研究開発費は23年度の125億5400万円(売上高比12.2%)から24年度予想は132億円(同12.5%)と積み増す方針で、三石氏は「新薬の比率をいかに上げていくかがポイントであり、パイプラインをさらに増強していく」と強調した。

24年10月から始まる長期収載品の選定療養は、主力でもある高脂血症・閉塞性動脈硬化症治療薬・エパデールなど7成分15品目が対象に含まれる。業績への影響については、「マイナスに影響するのではと思っている」とした上で「どれくらいの影響があるか読みにくい部分はあるが、しっかり準備をして臨んでいる」と述べた。

【23年度の連結業績(前年同期比) 24年度予想(前年同期比)】
売上高 1028億8500万円(0.4%減) 1060億円(3.0%増)
営業利益 58億200万円(31.8%減) 75億円(29.3%増)
親会社帰属純利益 45億4700万円(31.6%減) 56億円(23.1%増)

【23年度の国内主要製品売上高(前年同期実績) 24年度予想、億円】
リアルダ 145(135) 146
グーフィス 77(69) 90
エパデール 74(71) 65
モビコール 59(54) 60
レクサプロ 52(110) 37
ユリス 33(22) 54
トレプロスト 23(16) 28
アテレック 23(26) 18
トラムセット 22(29) 20
ヘパリンNa 13(12) 12
ディナゲスト 11(18) 7
ベセルナ 11(11) 6
コレチメント 2(-) 14
後発品 326(295) 285
*レクサプロの前期売上高は自社販売と田辺三菱製薬への販売の合算
*アテレックはアテディオを含む
 
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