リジェネロン・スイーティング部門長 10月に「呼吸器科/耳鼻科領域営業部」新設 MR84人新規採用へ
公開日時 2024/05/01 04:52
米バイオ医薬品企業のリジェネロン社で免疫領域国際部門長を務めるジョナサン・スイーティング氏は4月30日、東京都内で本誌インタビューに応じ、気管支喘息と副鼻腔炎を対象とした「呼吸器科/耳鼻科領域営業部」を24年10月に新設する方針を明らかにした。5月からMRの採用活動を開始。陣容はMR84人を含む100人体制を目指す。10月までに製品知識を含むトレーニングを実施する。一方で同社が創製したデュピクセントについてサノフィとのコ・プロモーションを継続する方針を改めて強調。呼吸器科/耳鼻科領域における日本の医師への情報提供の連携施策について、「両社間で検討したい」と意欲を示した。
「リジェネロンは日本を非常に重要な市場と考えており、日本に対する投資は、今だけではなくて長期的に引き続き投資していく市場と考えている」-。ジョナサン・スイーティング免疫領域国際部門長は、こう強調する。続けて、「我々は昨年立ち上げた皮膚科領域の“次のステージ”として、新たに呼吸器科・耳鼻科領域の営業部門を立ち上げることにした」と明かした。
◎「呼吸器科/耳鼻科領域営業部」新設は、昨年の「皮膚科営業部」に続く第2弾
同氏は英国ロンドンを拠点に、米国外の免疫領域のコマーシャル活動(営業・マーケティング)を統括する立場にある。2022年に設立したリジェネロン・ジャパンに対しては、23年10月にデュピクセントのサノフィとのコ・プロモーションに先立ち、MR100人を含む130人体制で皮膚科領域の営業部門を起ち上げた。今回の「呼吸器科/耳鼻科領域営業部」の新設は、その第2弾に位置づけられるもの。日本法人設立から短期間で営業部門の陣容が拡大する。
◎「複数領域に横断的なスキルを持った人たち」を非常に重要視している
今回採用するMRについてジョナサン・スイーティング氏は、「私達が重要と考えていることの一つは、スキルのミックスがあるということ。一つの分野にこだわらず、複数領域に横断的なスキルを持った人たちがいるということを非常に重要視している」と語ってくれた。また、科学者で医師でもある2人が創業したバイオ医薬品企業というリジェネロンの社風に触れながら、「会社自体、非常にエキサイティングかつユニークな機会を提供する会社だと思うし、ユニークな組織でもある。リジェネロンという会社の文化にうまく適合するとことも非常に重要だと考えている」と述べた。
◎マネージャーの本格的な採用も
MRの採用予定数は84人。あわせてマネージャークラスの採用も5月から本格的に開始する。「生物製剤をプロモーションしたことはないが、キャリアの次のステップとしてそこに進むことに関心のある人。あるいは生物製剤自体の知識はないけれども、疾患領域に経験があるという人たちがいれば、オープンに考えていきたい」と応じる姿勢を鮮明にした。
◎サノフィとのコ・プロモーションを引き続き堅持
デュピクセントは、①成人および小児のアトピー性皮膚炎、②12歳以上の重症または難治の気管支喘息、③結節性痒疹、④鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎、⑤成人の特発性慢性蕁麻疹(24年2月9日承認取得)-の5つの適応症を取得しており、このうち「呼吸器科/耳鼻科領域営業部」は気管支喘息と副鼻腔炎が対象となる。このためMR採用後のトレーニングは、この2つの適応症が中心になるという。MRのトレーニングについて同氏は、「疾患領域が中心となるが、リジェネロン特有のトレーニングも含めて提供することになる」と話した。また、サノフィとのコ・プロモーションを引き続き堅持する方針を示しながら、「日本の医師を訪問して情報提供するに当たっての計画を両社連携して立てているところ。10月に向けて検討を行っていきたい」と述べた。
◎サノフィによるCOPDの適応追加申請「このプロセスがどうなっていくのか見守りたい」
デュピクセントについてサノフィがCOPDの適応追加申請を行ったことについて同氏は、「今回の社内体制の構築とは直接的に関係ない」と断りながらも、「このプロセスがどうなっていくのか我々も見守りたい」と述べた。ただ、一般論としながらも、「現段階でCOPDに使える生物製剤はないということだ。COPDがもし使えるようになれば適正使用を推進するための教育などが必要になるし、様々な議論も必要になってくるだろう」と見通した。