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日本イーライリリー 早期アルツハイマー病治療薬・ドナネマブを承認申請

公開日時 2023/09/27 04:50
日本イーライリリーは9月26日、抗N3pG抗体薬・ドナネマブについて、アルツハイマー病(AD)による軽度認知障害(MCI)及び軽度認知症(以下、早期AD)に係る適応で承認申請したと発表した。ドナネマブは、N3pGAβ(N末端第3残基においてピログルタミル化されたアミロイドβ)に対する遺伝子組換えモノクローナル抗体。脳内に沈着したアミロイドプラークを特異的に標的とし、プラークの除去をもたらすとされる。

今回の申請は、早期ADの60~85歳の人を対象にドナネマブの安全性及び有効性を評価した第3相二重盲検プラセボ対照試験(TRAILBLAZER-ALZ2試験)の結果に基づく。この試験では、認知機能評価に加え、PETイメージングによるアミロイドプラークイメージング及びタウステージングに基づいて選択された8カ国の1736例が登録された。 

同試験の参加者は、AD進行の予測バイオマーカーであるタウにおいて、タウの蓄積量が軽度~中等度の群と、早期ADの中でも病理学的に後期に進行していることを示すタウの蓄積量が高度の群に層別化された。その後、iADRS(認知及び日常生活動作を評価するスケール)やCDR-SB(記憶など6項目の認知症の重症度を評価するスケール)などを用いて、認知機能及び日常生活機能の両方で全試験参加者を18カ月間評価した。

◎18カ月間 iADRSの低下が35%遅延

その結果、タウの蓄積量が軽度~中等度の試験参加者(n=1182)では、ドナネマブ投与により、18カ月間で主要評価項目のiADRSの低下が35%遅延(p<0.0001)、重要な副次評価項目のCDR-SBの悪化は36%遅延し(p<0.0001)、いずれも有意な臨床的悪化の遅延が認められた。アミロイド陽性の早期ADを有するすべての試験参加者(n=1736)では、ドナネマブ投与により、iADRSで22%、CDR-SBで29%と有意な臨床的悪化の遅延が認められた。

また、PETにより脳内アミロイドの存在を観察したところ、ドナネマブは投与開始から6カ月で脳内のアミロイドプラークの蓄積量を有意に低下させた。そしてドナネマブを投与したすべての試験参加者において18カ月時点のアミロイドプラークの低下は平均84%だったのに対し、プラセボ群の低下は1%だった。

◎重篤なARIA発現割合は1.6%

安全性は、ARIA-E(脳の一部または複数の領域の一時的な浮腫)はドナネマブ投与群の24.0%に発現し、6.1%に症候性のARIA-Eが発現した。ARIA-H(微小出血または脳表ヘモジデリン沈着)はドナネマブ投与群の31.4%に認められた。ARIAの症例の大半は軽度~中等度で、「適切な管理により回復または安定した」としている。重篤なARIAの発現割合は1.6%で、このうち2例の死亡がARIAに起因すると判断され、3例目は重篤なARIAの発現後に死亡した。Infusion related reactionはドナネマブ投与群の8.7%に発現し、ほとんどの症例が軽度~中等度だったとしている。
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