働き方改革のゴールを医師の労働時間削減に設定する病院は少なくない。制度的にも時間外労働の上限時間を時限付きで短縮するという建て付けになっているのだから当然といえば当然である。ただ、現状の人員体制を維持しながら労働時間の短縮を図ろうとすれば、１人当たりの労働生産性の向上は必須となる。見方を変えれば、生産性向上を徹底的に追求することで自ずと時間短縮が図れるという考え方も成り立つ。ICT化推進の成功事例として注目を集める愛媛県四国中央市の社会医療法人石川記念会HITO病院は、このような視点に立って働き方改革に取り組む数少ない医療機関の1つだ。「時間外労働を減らすことだけが働き方改革ではない」と石川賀代理事長が指摘するように、同院では時間や場所の制約を取り外した働きやすい環境づくりと本来業務の拡充を...