小野薬品 複数のDNA損傷応答に関わる早期創薬プログラム取得、米国KSQ社から
公開日時 2023/01/26 04:51
小野薬品は1月25日、米国KSQ Therapeutics社(米国マサチューセッツ州レキシントン)との間で、KSQ社独自の創薬標的探索技術であるCRISPRomicsプラットフォーム技術を用いて同定した複数のDNA損傷応答に関わる早期創薬プログラムを取得する契約を締結したと発表した。これにより小野薬品は、がん領域の複数の新規治療標的に関する情報および関連する研究資産を取得し、その治療標的に対する最適な医薬品候補を創製する。小野薬品は、創製した医薬品候補について全世界で独占的に開発・商業化する権利を保有する。
契約に基づき小野薬品は、契約一時金と研究・開発の進捗に応じたマイルストンとして最大数千万ドルのほか、販売の進捗に応じたマイルストンとして最大数億ドル、さらに上市後の売上高に応じたロイヤルティをKSQ社に支払う。
小野薬品の滝野十一研究本部長は、「当社は、がん細胞に対する選択性に優れた新規治療標的を探索する上で、KSQ社のCRISPRomicsプラットフォーム技術を高く評価している」とし、「本契約を通じて、KSQ社から取得したプログラムから、がん患者さんの治療に役立つ革新的な医薬品を創製するよう取り組んでいく」とコメントした。
KSQ 社は、がんや自己免疫疾患の分野において、分子標的療法、養子免疫細胞療法、免疫療法といった複数のモダリティーを活用し、腫瘍および免疫にフォーカスした医薬品候補の開発を進めるバイオテクノロジー企業。KSQ 社の独自技術の CRISPRomicsは、幅広い疾患において、ゲノムスケールで、確度高く、偏見を入れない創薬を可能するものだとしている。